原発再稼働「凍結」 テロ対策不備で東電柏崎刈羽原発7号機の審査見合わせ
2021年3月17日 20時45分
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策設備の不備が長期間続いていた問題を巡り、原子力規制委員会は17日の定例会で、同原発7号機の再稼働に必要となる主要な手続きを当面進めないことを決めた。東電が経営再建の切り札として位置付ける原発再稼働は完全に見通せなくなった。
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規制委によると、新規制基準に適合している7号機の原子炉起動に関わる手続きを当面見合わせる。一方、新基準適合の柏崎刈羽6号機を含む施設の事故対策につながる審査や、福島第一原発の事故収束作業などに関する手続きは進める。
東電の小早川智明社長も出席し、「広く社会の皆さまにご心配をおかけし、おわび申し上げる。私としても痛恨の極み」と述べた。
テロ対策設備の不備は、規制委の2月下旬の検査で判明。2020年3月~21年2月、侵入検知装置が16カ所で故障し、うち10カ所は代わりの対応も不十分で、装置復旧にも長期間を要していた。規制委はセキュリティー上「最も深刻なレベル」と判断した。これは4段階評価で最悪。
更田委員長は16日の記者会見で、東電の一連の対応について「分かっていて意図的にやらなかったのか。知識が足りなかったのか。技術的な能力の問題か。なめているのか」と、追加検査で対策が不十分だった原因を確認すると強調。17日の会見では、他の電力会社への検査も検討していることを明らかにした。 (福岡範行、小川慎一)
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