「継続しても良い結果は出ない」宣言解除に専門家会合で反対意見出ず ワクチン東京優先案も議論

2021年3月17日 21時50分
 緊急事態宣言を解除する方針が示されたことに、厚労省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」のメンバーは、最近の1都3県での新規感染者数の下げ止まりを憂慮しつつ、「宣言の効果は限界だ。解除もやむなし」と口にした。解除後は、感染のリバウンド防止対策を徹底するように求める。

◆効果は限界に

 「このまま解除すれば感染拡大の可能性が高い」。専門家組織の17日の会合後、座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は、1都3県の現状を率直に語った。病床使用率や新規感染者数などの指標は、悪化しているものも少なくない。
 それでも、この日の会合で、解除に反対する意見は出なかったという。解除を疑問視する声もあるが、メンバーからは「宣言の継続で、良い結果が出てくる見通しがない」などの意見が出た。宣言による対策の効果が限界に達しており、これ以上、市民に我慢を強いることができないという。

◆「既にリバウンドが」

 一足先に7日に宣言を解除した大阪、兵庫、福岡の3府県では、病床使用率が東京都を超えており、脇田氏は「既にリバウンドが生じ始めている」と指摘する。北海道と宮城、沖縄の両県では20~30代を中心に感染者が増えており、専門家組織は「感染拡大の大きな懸念がある」と危機感を示す。
 この日の会合では、解除後のリバウンド対策として、感染源を調べる積極的疫学調査やPCR検査の徹底を確認したほか、ワクチン接種の順番を変更すべきだという意見が出た。東京など感染が拡大しやすい地域の接種を優先し、地方への感染の広がりを防ぐという案だ。ただし全国知事会の反発も予想される。この案を政府が採用するのは「非常に難しいと思う」という意見もある。 (沢田千秋、藤川大樹、原田遼)

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧