シベリア生き延びた強い意志 横浜で23日まで抑留者の絵や手紙紹介

2021年3月18日 07時43分

引き揚げ者を迎えた桟橋を再現した模型

 太平洋戦争後にシベリアから引き揚げてきた人たちの様子を紹介する舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)の全国巡回展が十七日、横浜市中区の横浜赤レンガ倉庫一号館で始まった。シベリア抑留者が描いた絵や手紙など七十三点が並び、平和の尊さを伝えている。二十三日まで。入場無料。
 舞鶴市は日本海に面し、二十世紀に入ると海軍の港として発展した。戦後は日本政府によって引き揚げ船を受け入れる港に指定され、十三年間にわたり六十六万人の引き揚げ者を迎え入れた。同記念館は引き揚げ者らの記憶を残そうと一九八八年に開館した。
 巡回展には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録された「白樺(しらかば)日誌」のレプリカが展示されている。抑留者が紙の代わりにシラカバの樹皮に和歌を記したもので、家族への思いや帰郷への強い意志が読み取れる。抑留者が使っていた手作りのスプーンやマージャン牌(ぱい)もある。物をつくったり遊んだりすることで抑留中の寒さやつらさを忘れることができた境遇を伝えている。
 引き揚げ者を迎えた桟橋を再現した模型や引き揚げの歩みを映像で伝えるコーナーもある。学芸員の清(せい)彩華さん(23)は「過酷な環境の中でも、家族に会うため生き延びた強い意志を感じることができる。あらためて戦争の過酷さや平和の尊さを知ってほしい」と呼び掛ける。問い合わせは午前九時〜午後五時、同記念館=電0773(68)0836=へ。 (丸山耀平)

抑留中の様子を描いた絵画=いずれも横浜市中区で

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