札幌地裁 同性婚否定は「違憲」 「ようやくスタート地点」 当事者の水戸市議が歓迎

2021年3月18日 08時03分

「当事者にとって希望になる判決だ」と話す滑川友理市議=水戸市役所で

 同性カップルの婚姻届の不受理は憲法一四条の「法の下の平等」に違反するとした初の司法判断が札幌地裁で示されたことを受け、県内の性的少数者からは「ようやくスタート地点に立った」と喜びの声が上がった。一方、性的少数者のカップルを公認する県の「パートナーシップ宣誓制度」導入に反対した経緯がある自民党の県議は、判決を受けた国会の議論を静観する構えを見せた。 (宮尾幹成、松村真一郎)
 「司法が同性婚を認めてくれたことが本当にうれしくて、じーんと来た」
 レズビアンであることを公表している滑川友理・水戸市議(34)=立憲民主党=は破顔する。
 同性カップルの相談を受けていると、結婚できない現実に直面し、愛していても別れてしまったり、「死んでしまいたい」と話したりする人がいるという。
 「同性婚が法律で保障されれば、当事者にとっては希望になる。ようやくスタート地点に立った」と判決の意義をかみしめる。
 性的少数者の権利を求める運動が市民レベルで広がってきたことが、今回の判決の背景にあると分析し、「自分を受け入れられず、否定しながら生きている同性愛者が多くいる。立法府である国会には、これを機に早く法整備を進めてほしい」と訴えた。
 一方、性的少数者のネットワークづくりに取り組む「多様な性を考える会 にじいろ神栖」代表で、ゲイを公表している声楽家河野(かわの)陽介さん(34)は「憲法違反は認められたものの、(憲法二四条が定める)『婚姻の自由』には違反しないとされた上、賠償請求も認められなかった。今の時点ではどう評価してよいか分からない」と慎重に受け止めた。
 県は二〇一九年七月、全国の都道府県で初めてパートナーシップ宣誓制度をスタート。大井川和彦知事の看板政策で、県営住宅の入居申し込みや県立中央病院の手術同意などの際、同性カップルも戸籍上の家族と同様の取り扱いを受けられるというものだ。
 県議会最大会派「いばらき自民党」は「時期尚早」と反対したが、知事は条例制定の必要がない「要綱」によって見切り発車した。これまでに四十一組が「宣誓」している。
 自民のベテラン県議は、判決について「同性カップルが不利益や差別を受けることはあってはならないが、戸籍を扱う市町村レベルの制度運用でできることも多い。同性婚を認めるべきかどうかには、党内にもさまざまな意見がある」と説明。判決が「国の立法不作為があった」と指摘したことを踏まえて、「国会の議論を見守りたい」としている。

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