<寄席演芸の人びと 渡辺寧久>「笑点」チームの要に 放送作家・佐藤かんじさん

2021年3月19日 07時15分

日本脚本家連盟(鎌田敏夫理事長)では、演芸部門総代を務める佐藤かんじさん

 今から四十数年前、相模原市の小田急相模原駅近くにあった家賃五千円のアパート。
 「就職せずに放送作家のまね事をしていた。なんとなく食えていました」と振り返る佐藤さんは、アパートの一室を落研(落語研究会)の新入生に斡旋(あっせん)し、同じ屋根の下で暮らした。
 その新入生は、演芸番組「笑点」の司会者、春風亭昇太(61)の若かりし日の姿。佐藤さんは今、「笑点」の構成作家を務める。不思議な出会い、縁だ。
 落研の先輩で、放送作家の元木すみおさんに誘われ、NHK総合の「お好み演芸会」で放送作家デビューした。以来、演芸畑にどっぷり。漫才師の昭和のいる・こいるやナイツの演芸台本も数多く手掛け、「テレビで演芸番組をやることをいつも考えています」。二十八日午後四時からはBSテレ東で、佐藤さんが構成する「山ちゃんと昇太のワンチーム落語だよ!」が放送される。
 二十八歳のとき、「プロデューサーから声がかかり」参加することになった「笑点」。当時最若手だったが、現在六十五歳。九人の構成作家チームの取りまとめ役として汗をかく。
 演芸コーナーは「旬の人で、『笑点』ならではの人を出そう」という着眼点で人選。寄席で人気の漫談家ナオユキ(54)や太神楽のボンボンブラザースらの芸を、茶の間に届ける。
 「問題が命」という大喜利コーナーでは、司会者、制作者と問題を厳選する。自身も常に、“問題サーチ脳”だ。「『このニュースは問題にできるか』が頭の中にあります」と明かす。
 長年「R−1グランプリ」の予選審査員として、毎回約二百人の芸を見る。「新しい芸人を見つけることが作家の喜び」で、寄席や落語会にも足を運ぶ。その“選芸眼”は、若手演芸人を案内するNHKのラジオ深夜便「話芸100選 若者ききもの」で発揮されている。落研で鍛えた話術も武器だ。 (演芸評論家)

1月、「新春!お笑い名人寄席」の司会の東貴博(右)と角谷暁子テレビ東京アナウンサー(左)と


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