<ふくしまの10年・科学者 未来への伝言>(4)マンガもオカルトも

2021年3月19日 07時24分

安斎さんが描いた漫画「いのちの天秤」

 福島県楢葉町の宝鏡寺に早川篤雄住職(81)と一緒に「原発悔恨・伝言の碑」を建てた立命館大名誉教授の安斎育郎さん(80)。碑の文章を考え、書も書いた。
 絵手紙の個展を開いたこともある多才ぶりは昨年、第十回国際平和博物館会議組織委員会の事務局長を務めた際にも発揮された。京都市で開催予定だったので、マンガ学部や京都国際マンガミュージアムのある京都精華大と一緒にマンガ展を企画した。
 コロナの影響で博物館会議もマンガ展もオンライン開催となった。マンガ展のテーマをコロナウイルスとしたところ、世界から一千点を超える作品が集まり、「マンガ・パンデミックWeb展」は会期を延長するほどの人気だった。
 プロの漫画家に交じって安斎さんの作品も展示された。そのうちの一点は、安斎さんに似た高齢者の命が若者の命とはかりに掛けられるという絵だ。
 マジックは中学時代に始めた。東大では奇術愛好会会長に。一方、まやかしには厳しい。スプーン曲げを講演会で披露して「超能力ではなく、タネがある」と曲げるこつを教えることもある。
 オウム真理教の空中浮遊も「あぐらジャンプ」だと批判した。するとオウム真理教の機関誌で「超能力批判の先鋒(せんぽう)と名指しされた」。その後、数カ月にわたって無言電話が続くという不気味な体験もした。
 立命館大で担当した科目は自然科学概論だった。そこでオカルト的ものを科学的にどう見るかを講義した。大教室に学生がいっぱいの人気講義になった。二〇〇四年十二月にはNHK教育テレビ「人間講座」で「だます心 だまされる心」の講師を務めた。科学的に正しくないことを、非科学的な理由で信じることの危険性をずっと訴えてきた。
 ◇ご意見はfukushima10@tokyo-np.co.jpへ

関連キーワード


おすすめ情報

ふくしまの10年の新着

記事一覧