コロナ一時金 申請書類事前確認に高額手数料 税理士、給付の10パーセント超要求

2021年3月20日 06時00分
 新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店の取引先などを支援する一時支援金を巡り、申請書類の事前確認に必要な手数料として給付額の10%超を請求する税理士らが相次いでいる。想定金額の50倍を求める例もあり、事業を所管する中小企業庁は貴重な支援金の中抜きを防ぐため制度の見直しに着手。民間委託した支給事務局の業務に事前確認を加え、申請者の選択肢を増やすことを検討している。(桐山純平)

一時支援金 コロナ禍で影響を受けた中小企業に最大60万円、個人事業主に最大30万円が支給される制度。8日に受け付けが始まり、5月31日まで申請できる。給付対象は飲食店の取引先である食品加工業者や農家のほか、宿泊業やタクシーなども含まれる。今年1~3月のいずれかの売り上げが前年か前々年と比べて50%以上減ったことが申請条件となっている。

 一時支援金の申請は、売り上げが半減した飲食店の取引先などを対象に、今月8日から5月31日まで受け付けている。持続化給付金で頻発した不正受給を防ぐため、金融機関や商工会、税理士などの「登録確認機関」から確定申告書や売り上げ台帳などの事前確認を受けるよう申請者に義務付けた。
 中小企業庁は事前確認について「複雑なチェックは必要ない」として、申請者が税理士らに支払う1件当たりの手数料を1000円と算定。国が負担する仕組みも導入した。一方、この1000円を受け取らなければ、確認機関が手数料を自由に取ることも認めた。税理士などの調査方法や料金体系が一律でなく、「1000円」で縛るのが難しいためだという。
 「個人への一時金は最大30万円なので5万円抜かれるのは厳しい」。観光案内を営む個人事業主の男性(69)は、書類の事前確認を頼んだ横浜市内の税理士事務所に給付額の10%を超える手数料を要求された。国が算定した手数料の50倍に上るため、別の行政書士に5000円でお願いした。
 手数料5万円を取る理由について、この税理士事務所の担当者は取材に「明確な根拠はないが確定申告で忙しい」と答えた。個人事業主の男性は商工会や信用金庫にも依頼したが、取引がないなどの理由で断られた。「立場が弱い個人事業主が多額の中抜きをされやすい」と男性は指摘する。
 ほかに、手数料5万円を請求することをホームページ上で明示する東京都内の税理士事務所もあった。「一日がかりの税務調査の費用は6万円が相場。半日もかからないチェックで5万円は取りすぎだ」と別の税理士は批判する。
 過剰とも言える手数料の要求に、中小企業庁の担当者は「(事前確認先で困ったら)事務局に相談して」と話す。貴重な一時金を有効に使ってもらうため、事務局が審査や受給などの業務とは別に、事前確認を行うことを準備している。

PR情報