愉しく豊かに生きる 『自立力を磨く』 非電化工房代表・藤村靖之さん(76)

2021年3月21日 07時00分

「弟子になりたい」と志願した中学生らと=2006年、ナイジェリアで(佐藤洋二撮影)

 「お金と組織に依存しないで豊かに生きたい」「自由に、クリエイティブに、誇り高く生きたい」…。
 そう願う人が確実に増えているようだ。資本主義の破綻が予感から確信に変わってきたのだろうか。
 お金と組織に依存しないで豊かに生きるためには自立力が必要だ。ここで言う自立力とは、安定的な地位や収入を実現することではない。それは競争力であって、資本主義が破綻すれば力を失う。
 自立力の中身は、次の三つだと僕は思う。
 『自給力』=食べ物・住まい・エネルギーなどを自分たちで愉(たの)しく作る力。
 『自活力』=仕事を生み出して必要なお金を愉しく稼ぐ力。
 『仲間力』=仲間をつくり、仲間と愉しく生きる力。
 この三つがあれば、資本主義が破綻しても力を失うことはない。
 そこで、本書ではこれらの力の磨き方を紹介してみた。「3K」(キタナイ・キツイ・キケン)ではなくて、オシャレで愉しい磨き方だ。専門家でなくてはできないようなムズカシイことではなくて、だれでもできる簡単な磨き方だ。
 食べるものも、住む家も、エネルギーも自給は難しい。お金を出して買わねば…と思われがちだが、そうでもない。例えばカボチャを栽培する。ごみ溜(た)めにカボチャの種を捨てておけば、見事なカボチャが勝手にタクサンできる。
 例えば仕事を生み出して愉しく稼ぐ。そんなことは並外れた起業家にしかできない…と思われがちだが、そうでもない。それはビッグビジネスの話であって、スモールビジネスならば話は違う。
 栃木県那須町にある「非電化工房」では、電気を使わない冷蔵庫や洗濯機などを開発し、見学会も開いている。十年前に『月3万円ビジネス』(晶文社、現在は新装版が出ている)という本を書いて、みんなでワイワイガヤガヤとゲーム感覚でスモールビジネスを生み出すことを提案してみた。たくさんのスモールビジネスが生まれて僕自身が驚いた。
 今回の新刊には愉しくできるアイデアをギッシリ詰め込んでみた。僕の弟子たちが実現できたものばかりだ。拾い読みして、愉しくできそうなことをタクサン発見していただきたい。そして、自由な、クリエイティブな、誇り高い生き方に役立てていただきたい。 =寄稿
 而立書房・一九八〇円。

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