米中会談、埋まらぬ溝 台湾問題で中国反発「内政干渉」

2021年3月21日 06時00分
 【北京=中沢穣、ワシントン=金杉貴雄】バイデン米政権発足後、初めてとなる米中の外交トップ会談は2日間の日程を終えた。両国は譲れない分野では妥協を拒む姿勢を明確にした一方、気候変動などの分野では協力を探る方針も示した。しかし会談で鮮明になった溝は深く、協力関係への道筋は見えない。

19日、米アンカレジで、米国側との会談場を出る中国の楊潔篪・共産党政治局員(左から2人目)と王毅国務委員兼外相(右から2人目)=ロイター・共同

◆米国「厳しい対話」

 「予想どおり率直で厳しい対話となった」。米国のサリバン大統領補佐官は会談後にこう評価した。楊潔篪ようけつち・共産党政治局員も「率直で建設的、意義のある対話だった」と振り返った。
 会談は、米側が人権や台湾などの問題、強引な海洋進出、不公正な貿易慣行について行動を変えるように迫り、中国が「内政干渉だ」と反発する構図となった。平行線となるのは双方とも織り込み済み。会談前に米政府高官は「米国と同盟国が懸念している点を誤解のないように伝えること」が目的と語っており、実際にその通りとなった。

◆異例のカメラ公開

 異例だったのは、米中双方が発言前にカメラを引きとめ、激しい非難を公開したことだ。双方とも国内に強硬論を抱え、強い言葉は国内向けという面もある。
 実際、3回の会談は決裂を免れ、会談後は双方が協力姿勢も見せた。ただ双方の発表はニュアンスが異なる。ブリンケン米国務長官はイラン、北朝鮮、アフガニスタン、気候変動を挙げ「双方の利害が重なる」と協力に含みを持たせた。
 一方、中国側の発表はより具体的で、協力を進めたい意向がにじむ。新華社によると、米中は気候変動を巡る対話と協力を強化し、合同作業チームの設置で一致した。互いの国での外交官や記者の活動、両国間の往来正常化も協議した。

◆中国側は対話継続を希望

 また、新華社は「双方ともハイレベル戦略対話の継続を希望している」と伝え、楊氏も会談後に対話継続を率直に求めた。しかし米側は、今回の会談は定期的な戦略対話ではないという位置付けだ。米当局者は「今後の協議は中国側の対応を見極めてからだ」と語る。中国が行動を改めなければ、バイデン政権が対話を拒む可能性もある。
 中国は対話継続で対米関係を安定させたい考えだが、対立は中国が核心的利益と位置付ける領域に及ぶだけに譲歩は難しい。米中は、深刻な対立を抱えながら協力関係を築くという難題に取り組むことになる。

PR情報

国際の新着

記事一覧