政見放送で公開プロポーズの後藤輝樹氏「俺のようになるな」 その結末は…<千葉県知事選>

2021年3月22日 22時18分
 過去最多の新人8人が争った千葉県知事選挙に立候補した諸派の政治団体代表、後藤輝樹さん(38)は、政見放送を武器にする業界の有名人だ。今回も、公開プロポーズを行い、注目を集めた。しかし、「炎上」狙いの候補者が近年、現れるようになり、「単にふざけていることは断固、反対。自分にも責任の一端があり、製造者責任を感じる。自分のようにはならないでほしい」と呼び掛ける。(デジタル編集部・三輪喜人)

「よい子はまねしないで」と語りかける後藤輝樹氏

◆音声削除、全裸、公開プロポーズ

 後藤さんは2016年の東京都知事選の政見放送で、男性器名などを連呼し、NHKが音声を一部削除する異例の事態となった。さらに昨年の都知事選にも挑み、政見放送でほぼ全裸で政策を語った。
 今回の政見放送は、交際相手「ちなつさん」の好きなところを次々と読み上げて、「政治家として、結婚することの素晴らしさを、結婚が最高の墓場であることを証明いたします」とプロポーズした。コロナ禍でも、人との出会いの大切さや幸せになれるといったメッセージを込めたという。
 ただ、衝撃だったのは、後藤さんの政見放送の前日、「千葉のバイデン」を目指す無所属の非常勤医師、加藤健一郎さん(71)が、東京都知事の小池百合子氏と「当選して結婚したい」と明かしたことだ。
 同じネタを先にやられた後藤さんは「これはやられたなと思った」。それでも「2日連続の政見放送でのプロポーズはハートフルだなとポジティブに捉えました」と振り返る。

◆政見放送は「公平に張り合える場」

 政党など組織的な支援を受けず戦ってきた後藤さんは「何も持たざる弱者の立場からすると、政見放送やポスターは、唯一公平に戦える場所。公平に張り合えるところ」と、大切な機会だと捉えている。
 「一見したらふざけているように見えるかもしれないが、すべての政見放送でちゃんと伝えたい主張をちりばめている。せっかく放送局の放送枠を使わせていただいているので、なにかしらメッセージを発しないといけない」と強調する。
 後藤さんも最初から政見放送を武器にしていたわけではない。いろんな選挙に出る中で編み出したスタイルだという。

◆任せられる政治家がいないから

 政見放送がない区長選などに立候補してきたが、鳴かず飛ばず。供託金も没収された。そんなころ政見放送を見かけた。東京都知事選だった。ニコニコ生放送などでも候補者が主張を戦わせていた。「供託金を出しているのに自分にはそんな機会はなかった」。虎の子の貯金を使って、都知事選への挑戦を決めた。
 「おかしな政見放送をやりたいから、選挙にでているわけではない。目立つためにやってるわけじゃない。これで再生回数が稼げるとか、話題が取れるとかも考えてない。任せられる政治家や政党がいないから、自分でやるしかないと思うからだ」

性の話題で盛り上がった後藤さんの個人演説会の様子=千葉県松戸市


 過激化を危ぶむのは、「おいしい」と思う人が出てくるからだという。炎上させて注目を浴び、自分の動画の再生回数を増やしたり、宣伝になったりすることだけを考える人が増えれば、規制につながる。放送がネット配信だけになったり、廃止されるかもしれないと感じている。

◆自民がやったら「やばい」

 「世間の普通から逸脱しているので、真似してほしいとは思わない。自分のような政見放送を自民党がやってたら、やばいじゃないですか。みんな真面目にやってるから、反対にいっているだけで。俺みたいなのがたくさんいる社会はよくない」
 後藤さんは、いつも「申し訳ない」と思いながら過激な放送をやっているといい、一部の候補のやり方は「やりすぎだ」と感じている。「迷惑系ユーチューバーのような人が選挙にでてきたら困る。みんながおかしなことやってたら、社会がおかしくなる。そういう人が増えないように、選挙だからといって何をやってもいいわけではないと、はっきり言っておきたい」とクギを刺す。
 選挙戦をやりきった後藤さん。結果は8人中、最下位の1万2150票。連続の落選記録を更新したが、プロポーズには成功した。

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