ともに歴代最多得票 知事選熊谷さん・千葉市長選神谷さん 「県市連携」訴え奏功

2021年3月23日 07時25分

初当選を報じた新聞に目を通し、選挙戦を振り返る熊谷さん=千葉市で

 二十一日の投開票で、知事選では前千葉市長の熊谷俊人さん(43)、市長選では元副市長の神谷俊一さん(47)が初当選した。ともに「県市間連携の強化」を訴えて共闘した二人は、それぞれ歴代最多の票を集めて圧勝。同日投開票の浦安市長選では、現職内田悦嗣さん(56)が再選を果たした。知事選の投票率は38・99%で、前回の31・18%を7・81ポイント上回った。新型コロナウイルス禍での選挙戦でありながら、有権者の関心と期待が表れた。
 次点の候補者に百万票以上の大差をつけ、過去最多の約百四十万九千票を獲得して当選を決めた熊谷俊人さん。当選から一夜明けた二十二日、報道陣に「信じられない票」と驚きながらも、「多くの県民に期待、希望を感じて頂いた表れ。この票に応えられるよう、人生をかけて報いていきたい」と決意を新たにした。
 選挙戦では、過去に副市長として自身を支えた神谷さんを実質的後継者とし、新型コロナ対策も見据えた県市連携を訴えてきた。
 二人そろって圧勝を収め、熊谷さんは千葉市内での知事選有効票の八割も集めた。勝因を「三期の取り組みへの評価、神谷さんの人柄や政策への期待、県と千葉市を理想的な関係にすることへの期待の三つが重なったのでは」と分析。神谷さんとは「互いの考え方、方向性はもう共有できている」と力を込めた。
 自民推薦の元県議関政幸さん(41)との争いが軸となったが、一部報道機関の出口調査では、自民支持層からも多く得票したことが明らかに。熊谷さんは「自民党政治が否定されたわけではないと思う。この状況下で県政を前に進めていくには、私が適任だと信頼を頂いた」と受け止めた。
 就任は四月五日。新型コロナと危機管理対策から着手するとし「『国待ち』ではなく、自分たちで現場の状況を見て判断していかないといけない。保健所などは疲弊しており、働きやすいよう環境改善も図る」と意気込んだ。 (太田理英子)

◆問われるリーダーの真価

<解説> 知事選の最高得票を約四十年ぶりに更新し、初当選を果たした熊谷さん。政令市長としての実績に加え、会員制交流サイト(SNS)を活用した情報発信などによる知名度で他の候補を圧倒した。
 背景には、県民の中にくすぶっていた県への不信感があったと言える。二〇一九年の台風豪雨被害などを巡り、県の意思決定や対応の遅れを批判された。新型コロナウイルスへの対応でも、千葉としての独自色ある対策は見られない。
 熊谷さんはこれまで、SNS上で県の対応や計画の不備への批判を展開。その「もの申す」姿勢は保守系議員から反発を受けながらも、知名度向上にもつながってきた。熊谷さんが選挙戦で訴えた「スローガン、キャッチフレーズばかりでなく、地に足のついた県政改革」に県民の一定の期待が寄せられた形となった。
 新型コロナのワクチン接種に感染再拡大への対策と、知事就任と同時に厳しいかじ取りを迫られる。県議会は、選挙で対立候補を擁立した自民が過半数を占める。いかに対峙(たいじ)し、政策に理解を求めるのか。県民の信頼を取り戻すため、自らアピールしてきたリーダーシップの真価がさっそく問われる。 (太田理英子)

◆国との連携の重要さを助言 森田知事、熊谷さんを祝福

 森田健作知事は二十二日、知事選の結果を受けて報道陣の取材に応じた。「熊谷さんにおめでとうと申し上げます」と祝福。「私も知事になって国とのパイプや交渉、駆け引きが本当に重要で、しっかりやっていかないと良い結果が出ないと分かった。この辺を頭に入れて頑張っていただきたい」と先輩知事として助言した。 (中谷秀樹)

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