<新型コロナ>オンラインで対策指導 県のチーム「イーマット」 感染者発生の高齢者施設

2021年3月23日 07時26分

感染症専門の看護師がカメラを使って施設内部を確認し、対策を指導=県庁で

 埼玉県は新型コロナウイルス感染が確認された高齢者施設に、感染症専門の看護師がオンラインで対策を指導するチーム「eMAT(イーマット)」を立ち上げた。昨秋からの「第三波」では高齢者施設でもクラスター(感染者集団)が多発し、病床の逼迫(ひっぱく)につながった。施設内で感染が確認された初期段階で対策を徹底することで、感染拡大を防ぐ。 (飯田樹与)
 チームは今月五日に始動し、九日にデモンストレーションがあった。西埼玉中央病院(所沢市)に勤務する感染管理認定看護師の坂木晴世さん、グループホーム明日葉(あしたば)かぞ(加須市)を運営する布田(ふだ)幸代さん、県担当者の三者がオンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」で参加した。
 同施設の入所者三人と職員一人が感染し、別の入所者や職員にも発熱や倦怠感(けんたいかん)の症状が出ていると想定した。坂木さんは入所者や職員の体調を記録した表を手に、健康状態や施設の対応を確認。「まだ誰が感染しているのか分からないので、食事はできるだけ各部屋で食べて」など感染拡大を防ぐためのポイントを助言した。
 続いて布田さんがタブレット端末のカメラで施設内の様子を配信。その映像を見ながら、坂木さんは防護服の着脱場所やごみ箱の置き場所、感染した入所者が使うトイレをどこにするかなどゾーニングを助言した。布田さんは「タイムリーに指導を受けられるのは非常にありがたい」と話し、坂木さんは「クラスター対応には継続的に見ることが大切。内部も丁寧に見られる」と効果を期待した。
 県高齢者福祉課によると、県内の高齢者施設での累計感染者数は、八日時点で三百九十六施設の二千百二十九人(入所者・利用者千四百三人、職員七百二十六人)。うち四割に当たる八百六十八人は一月に感染した。一、二月は病床使用率が70%を超え、医療機関の負担が深刻化した。
 県は昨年七月、医師や看護師が現地でクラスター対応に当たる対策班(コブマット)を立ち上げた。しかし、施設内クラスターが多発した上、現地に赴く医師らとの日程調整が難しく、第三波では派遣が追いつかなかった。施設や医師から早期の対応を求める声もあり、イーマットを設置することになった。
 イーマットの利用は高齢者入所施設が対象で、一人でも感染が出た時点で県高齢者福祉課に申し込める。同課は日時の調整のほか、人手や衛生物資の不足があれば職員派遣などにも対応する。ただ、現状でイーマットに参加する看護師は坂木さんら五人だけで、県は感染管理認定看護師に参加を呼び掛けている。

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