持ち主不明の土地で再エネ発電、小規模事業者もOKに?全国9市町村でモデル事業

2021年3月24日 06時00分
 少子高齢化などの影響で相続されず、持ち主が不明となった土地を活用し、集会所や駐車場などとして活用できるようにする所有者不明土地法を巡り、国土交通省は整備を認める施設として、新たに小規模の再生可能エネルギー発電施設を加える法改正の検討を開始した。菅義偉首相が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げたことを踏まえた。22年の法改正を目指す。(新開浩)
 同法は所有者の死亡などにより、放置された土地が全国的に増えている問題を受け、18年6月に成立。所有者不明の土地を使いたい自治会やNPOなどが都道府県知事に使用許可を申請し、半年間の公告・縦覧後も所有者が現れず、関係者の反対がなければ、知事の判断で最大10年間の使用権を設定できるようにした。
 土地利用者は賃料に相当する補償金を所在地の法務局に供託する。関係者が同意すれば、利用期間を延長できる。
 土地を利用できる各分野の事業者は、土地収用法を基に定められており、発電事業は出力1000キロワット以上の事業者が対象。小規模な再エネ発電など出力1000キロワット未満の事業者は、現状ではこの制度を利用できない。
 このため、河野太郎行政改革担当相は今年1月、赤羽一嘉国土交通相に出力1000キロワット未満の発電でも、所有者不明の土地利用を可能とする制度改正を要望した。
 これを踏まえ、国交省は「再生可能エネルギーの地産地消に資する施設」の整備を新たに認める案を検討。空き地の有効活用と再エネ普及を同時に進める将来像を描く。ただ、省内の有識者会議では再エネ施設の整備を「景観上の障害が多いのではないか」と疑問視する意見も出ている。
 国交省は制度の有効性を調査するモデル事業として、千葉県八千代市など全国7道県の9市町村で計10件を採択。住宅地や商店街の空き地、過疎化が進む山間部の放置された土地を対象に、駐車場や自治会の集会所などの整備に向けた手続きを進めている。実際に使用権が設定された事業はまだないが、同省は28年までに計100件の事業を実現する目標を掲げている。

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