河井元法相買収事件 原資はどこから? 1億5000万円投入した自民、真相解明に後ろ向き

2021年3月24日 06時00分
 元法相の衆院議員河井克行被告は23日、妻の案里前参院議員を当選させようと現金を配ったことを認め、議員辞職を表明した。公判では自民党から提供された1億5000万円の資金が買収に充てられたとの証言も出ているが、党側は真相究明に消極的。菅義偉首相は官房長官当時、河井夫妻に肩入れしていたが、十分に説明責任を果たしているとは言い難い。
 党本部は案里氏の陣営にベテラン議員の10倍もの巨額の資金を投入し、当時の安倍晋三首相や菅氏が現地入りして全面支援した。破格の選挙資金の使われ方に関し、党側は案里氏の陣営が広報紙を広島県内に複数回、配る費用だったなどと主張するが、捜査当局に関係書類が押収されているとして、詳しい説明を避けている。
 菅氏は昨年9月の党総裁選で、使途の調査について「責任を持って対応したい」と約束していた。だが、今月3日の参院予算委員会では「書類が返還され次第、党で監査する」と述べるにとどめ、解明に向けた姿勢を後退させている。
 克行氏は昨年6月の逮捕以降、長期の勾留で議員活動が事実上できないにもかかわらず、総額2500万円近い歳費などを受け取っているとみられる。一転して議員辞職を表明したことで、収賄事件で在宅起訴された吉川貴盛元農相(自民党を離党)に続いて、説明責任を果たさずに終わるのが確実。党も真相究明を置き去りにしたまま、幕引きを図る構えだ。
 二階俊博幹事長は記者会見で「本人は大いに反省しているだろう。党としても他山の石として対応しなければならない」と指摘。当事者意識を欠いた人ごとのような発言に対し、立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「自民党のど真ん中で起こった事件で、党として対応しなかったことがこうした状況を招いている」と批判。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者団に「違法行為の原資が自民党から出ているのは明らかだ。全容を解明し、説明する責任がある」と訴えた。(山口哲人)

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