柏崎刈羽原発を「運転禁止」に 東電のずさんなテロ対策で規制委が是正命令へ

2021年3月24日 19時22分
 原子力規制委員会は24日の定例会で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)のテロ対策設備の不備が長期間続いていた問題に法令違反があったとして、東電に原子炉等規制法に基づき、同原発内の核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決めた。事実上、同原発を運転禁止状態にする。今後、東電に弁明の機会を与えた後に正式決定する。(小野沢健太、福岡範行)
 規制委の更田豊志委員長は24日の記者会見で「今問われているのは核物質防護に対する東電の姿勢だ。東電には柏崎刈羽で燃料を移動させる資格がない」と述べた。
 是正命令は、2012年の規制委発足以来、2例目。1例目は13年、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)での多数の機器点検漏れを巡り、日本原子力研究開発機構に無期限の運転停止を命じている。その後、もんじゅは廃炉となった。

◆期間は1年以上の見通し

 命令が出れば、東電は柏崎刈羽原発で、原子炉に核燃料を入れるなどの再稼働に向けた準備ができなくなる。規制委によると、期間は具体的に定めず、「事業者の自律的な改善が見込める状態」になるまで。追加検査も1年以上かかる見通しとなっている。
 規制委は23日に非公開で開いた会議で、東電には根本的な原因分析と、改善計画を9月23日までに報告するよう指示した。
 東電は経営再建の柱として、新規制基準に適合した柏崎刈羽6、7号機の早期再稼働を目指している。だが、自ら招いた不祥事とずさんな組織体制により稼働への準備は凍結。計画見直しは避けられなくなった。
 テロ対策設備の不備は、規制委の2月下旬の検査で判明。20年3月~21年2月、侵入検知装置が16カ所で故障し、うち10カ所は代わりの対応も不十分で、侵入を検知できない状態が30日間を超えて続いていた。規制委は、セキュリティー上「最も深刻な事態」とし、追加検査などが終わるまでは、東電が優先して再稼働を目指す7号機について、原子炉起動に関する審査をストップする方針を示している。

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