グーグル、ウーバー…大手ITで労働組合結成の動き 急拡大の裏で労働者に不満

2021年3月26日 06時00分
 労組結成の動きは、米アマゾンだけでなく、グーグルの親会社アルファベットなど大手IT企業で広がりつつある。日本のウーバーイーツの配達員も労組を結成。経営者の強いリーダーシップのもとで急成長してきた半面、置き去りにされた労働者には不満が募る。
【関連記事】「10時間で休憩30分だけ」 米アマゾンで初めての労働組合結成の動き佳境に 倉庫労働者が窮状訴える

 アルファベットが労組を結成したのは1月。約200人が加盟し、グーグルが結ぶ契約の種類や非正規雇用の賃金問題などで経営陣に改善を働き掛ける。組合の代表者らは米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で「世界をより良くする技術を構築するために入社したが、リーダーたちは利益を優先してきた」と批判した。
 政策コンサルタント会社アクセス・パートナーシップによると、米IT企業の従業員による組織的な抗議行動は2018年の40件弱から19年は100件超に急増。「ハイテク企業で契約社員など非正規労働者が増えていることが一因だ」と分析している。
 日本では、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが労働組合をつくり、賃金や事故時の補償など労働条件の改善に向けた団体交渉(団交)を要求している。しかし、ウーバーの日本法人は「配達員は個人事業主で、労働組合法上の労働者には当たらない」などとして団交に応じていない。

街中を移動するウーバーイーツの配達員。

 組合側は「団交拒否は不当」として労働委員会に救済を申し立て、審査が続いている。英仏ではウーバーの運転手に雇用関係のある労働者としての権利を認める最高裁判決が出ている。
 アマゾンジャパンを巡っては、不当な懲戒処分を受けたとして営業職だった男性が個人加盟できる労組「アマゾン労働組合」に入り、処分撤回などを求めて係争している。組合員約30人が、今春闘では不当な人事評価制度の廃止などを求める団交を要求した。(ワシントン・吉田通夫、岸本拓也)

関連キーワード

PR情報

国際の新着

記事一覧