ミツバチ引っ越し大作戦 清瀬市旧庁舎→2.3キロ離れた中継地→新庁舎屋上 「イチかバチか」成功に「ホッ」

2021年3月28日 07時04分

新庁舎屋上への引っ越し作業を終え、ミツバチの巣箱の様子を点検する市職員=清瀬市で

 清瀬市が市役所屋上で続けている市営養蜂で、珍しいミツバチの引っ越し作業があった。新しいすみかは、老朽化した旧庁舎の隣に完成した新庁舎の屋上。だが、ミツバチはすぐ近くへ引っ越した場合、帰巣本能で元の場所に戻ってしまう習性がある。旧庁舎は六月にも解体され、戻る場所がなくなる。そこで市職員らが「イチかバチか」で打ち出した作戦は−。 (花井勝規)
 寒風が吹きすさぶ二月二日。市職員らが旧庁舎屋上の飼育用ゲージから巣箱八箱を車に積み込んだ。一箱あたり約一万匹が入った箱の重さは六十キロ近い。車の行き先は、二・三キロ離れた市の資材置き場だった。
 「新庁舎へ移る前にそこを中継地として一カ月以上ハチたちに滞在してもらった。旧庁舎の記憶を消す必要があったからです」
 市営養蜂チームのリーダー、海老沢雄一さん(51)はこう振り返る。二キロ以上離れた中継地の設定は「迷いハチ」を防ぐ方法で、ミツバチの飼い方の解説本を参考にした。「ハチの行動半径からすると三キロ以上離したほうがより安全だが、適地がなかった」
 中継地から新庁舎への引っ越しは今月十二日に行われ、成功した。ハチが蜜を採るサクラの開花前に済ませるため、職員が新庁舎への引っ越し作業をするゴールデンウイークより時期を前倒しした。その後、九州の養蜂家が中継地を挟まず近隣に引っ越しさせたところ「ハチが元の場所で大量死した」との連絡が入り、職員らは引っ越し完了に胸をなで下ろした。
 ただ、新庁舎に運び込んだ巣箱の数は五箱だった。中継地で三箱分のハチが死んだことになる。海老沢さんは「環境変化によるストレスでしょうか。小さなハチに引っ越しはリスクが高いことを痛感した」と話した。
 今月二十八日は七年前に全国初の市営養蜂が産声を上げた日で、新庁舎の完成式と重なった。海老沢さんは「今季は広々とした新庁舎の屋上で始める再出発のシーズンになる。学校の環境教育など見学者を積極的に受け入れていきたい」と意気込む。市営養蜂の問い合わせは市営繕係=電042(497)1841=へ。

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