自衛隊による米軍への防護が急増 日米の軍事的な一体化が加速 安保法の施行から5年

2021年3月29日 05時55分
 自衛隊の任務を拡大し、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能とした安全保障関連法は29日で施行から5年となった。政府は昨年、安保法に基づき自衛隊が米軍の艦艇や航空機を守る「武器等防護」を25件実施した。2019年の14件から急増し日米の軍事的一体化はさらに加速。偶発的な衝突に巻き込まれる懸念も強まっている。(上野実輝彦)
 20年の防護対象は、共同訓練中の米軍機が21件、警戒・監視中の米艦が4件。防衛省は活動の内容や場所を明かしていない。
 航空自衛隊は昨年、米空軍機との日本周辺での共同訓練を、公表しただけでも計15回実施した。場所は「日本海、東シナ海、沖縄周辺」が大半で、内容は1~2機の米長距離爆撃機と15~20機の空自戦闘機による編隊飛行や戦闘訓練が中心。19年は9件だった米機防護の急増は、訓練増が関連したとみられる。

◆オーストラリア軍への防護も実施へ

 政府は昨年10月の日豪防衛相会談後には、オーストラリア軍に対しても武器等防護の実施に向けた調整を始めると発表した。
 武器等防護は、米軍などが平時に「わが国の防衛に資する活動」を行っている際に実施できる。武装集団などが妨害行為を働いた場合、阻止するための武器使用が認められており、自衛隊が紛争に巻き込まれる懸念が指摘されている。
 安保法に基づき、政府は16年に南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊に離れた場所の国連職員らを武器で守る「駆け付け警護」や、宿営地を他国軍と協力して守る「共同防護」を任務付与。実施はされなかった。海自艦は17年、平時の米艦への給油を実施。19年には、国連が統括しない平和維持活動であるエジプト・シナイ半島の多国籍軍・監視団(MFO)に陸自隊員を派遣した。

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