コロナ自粛でCO2排出減ったのに…気象庁、濃度は観測史上最高と発表

2021年3月29日 16時52分
 気象庁は29日、2020年に日本国内の陸上、海上、上空で観測した二酸化炭素(CO2)の濃度が、観測史上最高値を更新した、と発表した。20年は新型コロナ禍で社会・経済活動が自粛され、CO2の排出量が大きく減ったとされているが、気象庁は「大気中の二酸化炭素濃度の観測データからは(減少の影響が)検出できない」としている。(福岡範行、小川慎一)

◆「自然の変動に埋もれてしまった」

 環境・海洋気象課の吉田雅司調査官によると、大気中のCO2濃度は海や植物による吸収や放出でも変化している。車や火力発電所など人間の活動によって排出されたCO2は、20年に過去最大の減少幅となる前年比5~7%ほど減ったとされるが、国内の陸上の観測地点3カ所では、CO2濃度の年平均の増加量は、いずれも前年と同水準の2.3~2.4ppmだった。
 吉田調査官は「排出量の減少の影響を注目していたが、大気中の濃度は増加量の鈍化も認められず、自然の変動の中に埋もれてしまった」と指摘した。
 気象庁では、綾里(岩手県大船渡市)、南鳥島(日本最東端)、与那国島(日本最西端)の3地点や洋上、上空でCO2濃度を観測しており、いずれも増加傾向が続いている。CO2の濃度が高まると地球温暖化が進み、猛暑日の増加や海面上昇、風水害の激甚化などが懸念されるため、世界各国は対策を強化。日本は菅義偉首相が20年10月、国会で、50年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目指すと宣言した。

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧