県内8市町リレー 早乙女桜並木に聖火 密防止 沿道で観衆に注意喚起

2021年3月30日 07時41分

満開の早乙女桜並木を走る聖火ランナー=いずれもさくら市で

 東京五輪の聖火リレーは二十九日、栃木県内二日目となり、サクラが咲く中でランナーたちが聖火をつないだ。前日の一部区間で沿道に観客が集まり過ぎた状態があり、新型コロナウイルス感染症に配慮してボランティアが密集にならないよう沿道で注意を呼び掛けた。 (小川直人)
 この日は那須町を出発してさくら市、那須塩原市、益子町、壬生町、日光市、鹿沼市、宇都宮市を通過。
 さくら市ではサクラの名所、早乙女桜並木をランナーが駆け抜けた。約六百メートルの両側に樹齢百年とされる約八十本が並ぶ。歩道もなく危険なため、県などが伐採して再整備することが決まっている。市内の太田重男さん(78)は「伐採前にリレーの舞台として注目されて良かった」と話した。高根沢町の佐藤久枝さん(72)は「少しでも五輪に接したかった」と感激していた。
 沿道ではボランティアが「密集の回避」などと書かれたプラカードを手に「二列にならないで、間隔を空けて」と呼び掛けていた。
 聖火リレーは三十、三十一日は舞台を群馬県に移す。初日は館林市をスタートして前橋市を目指す。

◆「一生に2回 無事走れた」 76歳の加藤有さん

沿道に手を振りながら走る加藤さん

 「一生に二回。無事に走れて良かった」−。さくら市区間の最終ランナー加藤有(たもつ)さん(76)は走り終え、ホッとした表情を見せた。
 一九六四年は予備のトーチを持つ副走として現在の那須塩原市内を走った。高校時代は陸上部短距離ランナーだったといい「ほかのランナーも確か運動の選手だった。ずいぶん速く走った」と記憶している。二回目の今回は歩く速度。「つまずいて転ばないよう気を付けた。周囲からそう言われていたからね」と笑う。
 五十歳を過ぎてがんを患った。聖火リレーの一年延期で、体調維持のため散歩を続けた。直前には「手術の影響が残っていた昨年より体調は良い」と感じた。「おかげさまで二回も走れた。病気で悩む人に見てほしいと改めて思った」
 笑顔で走ることを心掛けた。沿道で応援してくれる子どもたちにも手を振り返した。五輪開催に「新型コロナウイルスで打撃を受けた経済や社会が活気を取り戻すきっかけになれば」と願う。 (小川直人)

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