<山崎まゆみのようこそ!バリアフリー温泉>評価の高い宿 誰もが極上リラックス

2021年3月30日 08時01分

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 超高齢化社会の到来で、これまで以上にバリアフリー温泉が必要とされるようになってきました。国や地方自治体の補助金を活用した宿泊施設のバリアフリー化も進んでいます。
 長くバリアフリー温泉に取り組んできた島根県松江しんじ湖温泉のなにわ一水は、功績が評価され、ユニバーサルデザインを推進する「一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会」主催の「IAUD国際デザイン賞2020」住宅・建築部門で金賞を受賞しました。
 審査員から「バリアフリーというだけでなく、みんながリラックスできる場所であり、すべての人のための観光としての心を動かされる実例」と高い評価を得ました。
 なにわ一水は、初めから特別な旅館だったわけではありません。一九一八年に創業し、順調だった旅館業も、九〇年代に宴会のお客さんが減り経営が厳しくなりました。
 そこで二〇〇六年からバリアフリー化を試みます。勝谷有史社長は「客室稼働率や客単価が上がりました。バリアフリールームであっても、他のお客さまも利用したいと思わせる洗練されたデザインにしたことが一番の要因です」と強調します。
 注目は一六年に二部屋を統合し広い一部屋に改修した「バリアフリー露天風呂付和洋室 Premium 二〇一号室」=写真(1)=です。全てのドア幅は八十センチ以上あり、車いすがスムーズに通れます。車いすでの利用や介助がしやすいように客室のテーブルは高さを変えることができ、ソファも簡単に移動ができる軽いものです。デッキの露天風呂=同(2)=には、自動昇降可能なシャワーキャリー=同(3)=を設置することができるので、いつでも客室で温泉を楽しめます。

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 天井が華やかなデザインで彩られているのは「ベッドにいる時間の長い人にも楽しんでほしい」という勝谷社長の気持ちから。ベッドに横たわり、美しい宍道湖も眺められます。 (温泉エッセイスト)
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 本連載「ようこそ!バリアフリー温泉」は今回で終了します。四月からは新設の「メトロポリタン+面」で、「バリアフリーで行こう」とタイトルを変えて、温泉地や旅館以外にもお出かけしやすいスポットを紹介します。

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