女性の非正規労働者89万人減 2月の労働力調査、前年比 宣言解除されても雇用危うく

2021年3月31日 06時00分
 総務省が30日発表した2月の労働力調査によると、女性の非正規労働者は前年同月比89万人減の1398万人で、減少幅は過去最大だった。全体の失業率は2・9%と横ばいだが、非正規女性の占める割合が高い飲食業や小売業などは依然厳しい。統計に表れない水面下での雇用悪化も彼女らに集中、緊急事態宣言が解除されても危うい状況は続いている。(渥美龍太)

◆宿泊・飲食サービス業など悪化

 総務省の担当者は「今回の緊急事態宣言は、昨年4月と比べれば雇用に大きな影響は出なかった」と説明した。たしかに、看護師ら医療福祉分野を中心に女性の正規労働者は増えた。
 しかし、非正規の厳しさは依然として際立つ。非正規女性を業種別にみると、宿泊・飲食サービス業が前年同月比で24万人減少し、卸売・小売業が同20万人減った。季節的な変動の要因を除いた前月比でみても、非正規の女性は全体で18万人減と3カ月連続の減少だった。

◆ダブルワーク先見つからない

 厚生労働省によると最近、非正規女性らが副業などの「ダブルワーク」を求める動きも出ている。本業だけでは暮らせない層が増えている可能性がある。
 川崎市の飲食店アルバイトの女性(67)はもともと週4~5日勤務で月10万円近い収入があったが、今は土日のみ3時間ずつで月3万円程度。年金を加えても生活できず、ダブルワーク先を探すも断られ、今月に生活保護の受給が決まった。「また仕事が増えてほしいけど、コロナがぶり返したら…」と不安が尽きない。

◆実質的な失業は100万人超か

 野村総研はこの女性のように、仕事が半分以下に減り休業手当が出ないバイトを「実質的失業者」と定義、女性で100万人超いると推計している。彼女らを失業者に含めると、2月で2・8%にとどまる女性の失業率は6%程度に上がる。
 日本総研の山田久氏は「雇用全体としては当初の予測ほど悪化していないが、非正規女性の実態は統計以上に悪い」と指摘。その上で「飲食店の体力が落ち第4波の懸念がある中では、宣言が解除されても彼女らの雇用は元に戻らず、厳しさが続く」と見通した。

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