<ねづっちの謎かけ道場>道場主直伝 採用の極意 連想する言葉を集めよう

2021年3月31日 07時30分

投稿のコツ、採用への道を指南するねづっち=いずれも東京都千代田区で

 令和の幕開けとともにスタートした「謎かけ道場」は間もなく三年目に突入、いまや毎週約百〜数百作の投稿をいただいています。貫禄の常連さんに加え、新人さんも続々参戦。小学生から九十代まで、関東一円はもとより遠隔地からも秀作や爆笑作品が届き、選考は毎週ヒートアップしています。一方で「何度出しても落選ばかり」「私が考えたのに、別の人の作品が掲載されている」といった嘆きの声も寄せられます。今回の「特別編」では、ねづっち道場主に「投稿のコツ」「採用される作品」の奥義を伝授してもらいます。 (立尾良二)

◆特別編

 ○○とかけて△△ととく。その心は□□
 これが謎かけの基本形で、ねづっち道場主は「○○と△△の意味が離れていて、その二つの共通項である□□で話を落とす。□□は同音異義語が多い」と説明する。
 お題である○○から連想する言葉をたくさん思い浮かべる。その中から、同音異義語のある言葉を見つけてオチの□□を決める。そのオチから連想した言葉を△△に当てはめる。「お題の連想言葉を可能な限りたくさん並べることと、同音異義語のオチを先に決めること、この二つがうまく作るコツ。あとは練習あるのみ。誰でも練習すればするほどうまくなる」と話す。
 ねづっちが謎かけにハマったきっかけは、寄席で聞いた落語家の謎かけに感銘を受けたこと。その作品がこれ。
 朝刊とかけて、お坊さんととく。その心は、今朝来て(袈裟着て)今日(経)読みます
 「謎かけは言葉遊び、大衆演芸だからコンパクトにまとまっていて、誰もがすぐに分かることが大事」と王道を説く。謎かけ道場の入選(掲載)作から紹介すると。
 失恋とかけて、泳ぎが苦手ととく。その心は、涙目で(波ダメで)沈みがち
 新聞の投稿のように字面で読む場合は「難しい言葉を使った凝った作品でもいい。入選作には二つや三つ、複数の言葉がかかっている作品が多い」とも示す。その好例。
 不祥事を起こした人の心配とかけて、食べ物の吸収ととく。その心は、懲戒(腸か胃)でしょうか(消化)
 入選するにはコンパクトがいいのか、凝った作品がいいのか。「面白ければどちらでもOK。ただ一番いいのは、やっぱり耳で聞いても分かるような作品が素晴らしい。それは文句なく選びたくなる」
 ◇ 
 気になるのが類似、酷似の作品。謎かけは、平安時代に和歌から派生した宮廷の言葉遊びが原点で、江戸時代に現代へとつながる「三段なぞなぞ」が生まれて大流行した。歴史が長いだけに古典的なかけ言葉、使い古されたかけ言葉も多い。先の「朝刊とかけて…」もそうだが、最近の投稿でも多く見られる。
 その心は、身長差(慎重さ)
 その心は、うーんどうしよう(運動しよう)
 その心は、赤坂見附(あ、傘、見っけ)
 このほか「細菌(最近)は」や「再開(最下位)」、政界を野球になぞらえて「内閣(内角)を責(攻)める」…。これらは当道場でも再三登場しているが、「過去の作品やネット上の作品をパクったのでなければ、結果としてかぶるのは仕方ない。自力で作ったのならすべてOK。ゴルファーと同じで紳士淑女のルールです」。
 文脈や話の作り方が面白ければOK、さらに時事問題をうまく絡めれば「オリジナルになる」と助言する。
 核兵器禁止条約発効とかけて、いじめっ子ととく。その心は、脅威無く(今日居なく)なればと思う
 さらに「複数かけた場合、一つは既出でももう一つがオリジナルならそれもOK」とも。
 エコーとかけて、毎日お墓参りととく。その心は、響くように音ずれます(日々供養に訪れます)
 ◇ 
 だじゃれと謎かけの違いは何か。「謎かけはだじゃれの発展形と思う。布団でだじゃれといえば、多くが『布団が吹っ飛んだ』と思いつくが、布団で謎かけをといえば、ちょっと考えるでしょう」。スマホやパソコンの誤変換利用については「趣味でやる分には構わない。私だって力士の『蒼国来』をスマホに入力したら、誤変換で『倉庫暗い』と出たので、オチに使えると思った。とにかく気楽に自由に作ってほしい」と願う。
 謎かけは「コロナ禍で閉じこもりがちな生活の中で、時間つぶしになるし、お金もかからない。ぼけ防止にもいいし、いつでもどこでも散歩中でもできる。こんなに楽しい遊びがほかにあるでしょうか」と笑った。

◆謎かけは仕事にも役立つ! ちゃっかり?著書PR

近著「会話を整える」を手にするねづっち

 近著「会話を整える」(主婦の友社)では、謎かけをビジネスやふだんの会話に活用しようと呼び掛け、投稿の際のヒントにも触れている。「純粋に謎かけの作り方も解説しています。会社でのちょっとした雑談や、仕事のプレゼンにも謎かけの考え方がいかに役立つか説いています」
 第一章で、ウケる作品とウケない作品の違いを例示。なかなかうまく作れない人のために、どこでも使える万能の謎かけもいくつか紹介。人物や場所など、お題ごとに便利なパターンを具体的に示している。複数がけの奥義も記載。ねづっちが作った複数がけの最多は七カ所がけという。
 ゴルフとかけて、ブラジャーととく。その心は、トップ、アンダー気にしつつ、ラインを確認し、よいショット(よいしょっと)寄せてパット(パッド)して、最後にカップにおさめます
 「一応ビジネス書のため」、次章は会社や経済に関するお題をそろえ、それぞれ連想言葉の思い浮かべ方や解き方のトレーニングになるように仕立てた。後半は謎かけの考え方を日ごろの会話に生かすためのコツを示す。「この本を読んだ人と読まない人では、仕事の成績にだいぶ変化が出るのではないでしょうか。うちの事務所の社長も読んだ途端、会話力がアップしたようです」と笑う。今後の当道場に向け「なかなか採用されない方も一読してください。毎週六作品しか採用できませんが、懲りずに投稿お願いします」と呼び掛けた。
 ◇ 
 この本を抽選で三人の読者にプレゼントします。希望する方ははがき、ファクス、メールで「ねづっちの謎かけ道場・本プレゼント係」と明記のこと。応募先は下記参照。
※謎かけ大募集! 郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、はがきは〒100 8525 東京新聞文化芸能部「ねづっちの謎かけ道場」係、ファクスは03・3595・6929、Eメールは hougei-t@tokyo-np.co.jpへ。ペンネームも歓迎ですが、氏名もお忘れなく。

「謎かけ道場」の紙面。来週以降も投稿よろしくお願いいたします!


関連キーワード

PR情報