コロナ禍でも「一歩ずつ前進」 浅草・三社祭は宮神輿を担がず5月開催へ、神田祭は絵で楽しむ

2021年3月31日 21時09分
 浅草神社(東京都台東区)の神社総代会は31日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今年の三社祭は宮神輿みこしを担がず、台車に載せて街を巡ることを決めた。神田明神(同千代田区)の神田祭は中止となり関係者だけで神事を行う。首都の初夏を熱気で包む二つの祭りが今年は大きく姿を変える。 (加藤健太、井上靖史)

秋に延期された三社祭で、トラックに載せられ雷門の前を通る一之宮の神輿=2020年10月、東京都台東区で

◆昨年は10月に延期、期間も短縮

 三社祭の開催日は、5月14~16日。台車の押し手は各町から代表者を募る案を検討している。神社総代会はこの日、感染状況によっては祭りを中止することも確認した。
 三社祭は昨年、コロナの感染拡大を受けて、5月の開催予定を10月に延期し、期間も3日間から2日間に短縮して行った。見物客の密集を避けるため、3基の宮神輿のうち「一之宮」だけをトラックの荷台に載せて、人が歩く速さの倍くらいの「人力車並み」で巡行した。今年も街に出るのは一之宮だけとする。
 神社総代の1人、浅草観光連盟の冨士滋美会長(72)は「見守るだけだったトラック巡行よりも町会の人たちの関わりが増える。一歩ずつ進んでいきたい」と話した。
 都無形民俗文化財に指定されている「びんざさら舞」の奉納は実施。一方、約100基の町神輿が繰り出す「連合渡御」や、浅草芸者らがにぎやかに歩く「大行列」は、昨年と同様に取りやめる。

前回の神田祭の神幸祭。華やかな神輿が都心を練り歩いた=2019年5月、東京都中央区で

◆神田祭は代替イベント

 2年に一度の5月に開かれる江戸三大祭りの一つ神田祭は中止となった。神輿や山車の行列が神田や大手町、日本橋など都心部を巡る「神幸祭」や、氏子百八町会の神輿が神社に練り入れる「神輿宮入みやいり」などの行事を取りやめ、関係者だけで神事を行う。
 神田祭の中止は、東日本大震災があった2011年以来、10年ぶり。神社の広報担当者は「残念だがやむを得ない。祭りで密になり感染者が出ることは避けなければならない」と話している。
 神社では、祭りに代わるイベントとして、神田祭を描いた明治時代以降の浮世絵や、現代の漫画家が描いた祭りの様子を紹介する企画展を、4~5月に敷地内の資料館で開催する計画。

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