恋愛に年齢関係ありますか? 70代カップル「1分1秒が惜しい」

2021年4月1日 07時21分
 人生100年時代。子育てや仕事が一段落した後、残された時間の生き方も多様になってきている。新たなパートナーと過ごしたいと、「熟年婚活」に取り組み、幸せをつかんだ人たちも。恋愛に年齢は関係ない−。そんな2組のカップルに話を聞いた。 (奥野斐)

◆お互い人生経験経て

日吉勝さんと和子さん(仮名)の指に光る結婚指輪

 横浜市の閑静な住宅街。元会社員の日吉勝さん(76)と、和子さん(73)=仮名=が出迎えてくれた。勝さんが「結婚指輪」を贈り、事実婚をして丸五年。「一分一秒が惜しい」と二人は話し、常に一緒に行動する。
 和子さんは夫を亡くした後、「自由=楽しみ」と一人気ままに生きていたが、六十五歳を過ぎて「自由=孤独」と感じるように。「このまま孤独死するのでは…」と不安になり、お見合いパーティーに参加した。男女十人ずつで、順に一対一で話すも「価値観が合わず、一度はやめようと思いました」。最後と決めた三回目のパーティーで勝さんに出会った。「誠実さと知的さに一目ぼれ。運命の出会い」と振り返った。
 一方の勝さんは二度の結婚、離婚を経て婚活していた。それぞれ約二十年連れ添った女性は「人生観の歯車が合わなかった」という。和子さんの話し方や思いやりに「この人ならば」と、勝さんも一目ぼれした。
 一カ月後には同居。食事の好みなど違いはあるが、「ささいなこと。お互い全く気にならない」と言い切る。毎朝一緒に起き、散歩やゴルフを楽しみ、夜は必ず二人で晩酌、ダブルベッドで仲良く眠る。
 二人にはそれぞれ子どもがいて「親子の人生は別々」と言うも、「時間をかけて理解を求めていきたい」と婚姻届は出していない。三年前に相続などを取り決めた公正証書を作成。「人生は一度しかない。悩みながら生活するよりは再出発を」と勝さんが話すと、和子さんもうなずいた。

◆20年前の倍以上に

 厚生労働省の統計によると、二〇一九年に結婚した六十五歳以上の男性は九千九百七十三人、女性は五千四百六十七人で、二十年前の倍以上に増加。いずれも九割弱が再婚だ。

金子敬一さんと明子さん

 「生きるため、結婚しなきゃならなかったの」。埼玉県川越市のピアノ講師、金子明子さん(60)も約四年前、元保険会社員の敬一さん(67)と再々婚した。
 ひとり親として、実家の援助も得ながら三人の子を育ててきたが、五十三歳で二度目の離婚後、当時の収入ではピアノ教室用の部屋や自宅が契約できなかった。
 一方の敬一さんは六十四歳での初婚。定年退職し、時間ができたことで一人の寂しさや不安が募ったという。明子さんに出会い「すごく苦労してきた。幸せにしたい」と思った。「二度も離婚していたとは思わなかったですけど」と笑う。
 一昨年に新居を建てた。「私には白馬の王子様」と敬一さんを見る明子さん。子どもたちも幸せな母の姿を喜んでいるという。

◆うまくいく人は聞き上手

 熟年婚活ゆえの注意も必要だ。日吉さん、金子さん夫妻が利用した中高年・シニア専門の婚活業者「茜会」(東京都新宿区)のアドバイザー後藤礼美(ひろみ)さんは「子どもの反対や遺産相続が壁になりやすい」と話す。
 会員は50〜60代を中心に約4000人。入会理由では「一人より二人でいたい」「食事や旅行に一緒に行ける人がほしい」など、残された人生を楽しく過ごせるパートナー探しが多い。
 聞き上手や、自分を客観視できる人はうまくいきやすいが「希望年収が高い人や、相手に『こうしてほしい』と求めすぎる人は好かれないですね」と後藤さん。交際が浅い段階で高価な贈り物をしたり、子どもの学費を支援したりする人も。「お金絡みのトラブルも全くないとは言えません」
 コロナ禍では、感染防止マナーやマスクの作法も見られがち。大声で話す人は敬遠されるという。

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