<あぶくま便り>(9)米作りの1年 スタート

2021年3月27日 08時00分

種もみを塩水で選別=福島県二本松市で

 阿武隈の里山は梅の花が満開となり、ピンクの春ツバキも咲いています。
 この里山にイノシシが増加して、ジャガイモが掘り起こされたり、収穫前の稲が倒されたりして毎年作物が荒らされています。特に東日本大震災と原発事故以降は、耕作を断念した畑や農地周辺の木が荒れているために、住宅近くまで現れるようになりました。
 私の集落では、原発事故後にすべての農地周辺にイノシシ対策のための小さなソーラーバッテリーと電気柵を設置しました。十四日、春の農作業を前に、県の農業普及所の講師を招き講習会を実施しました。女性も含め熱心に聞いて、電気柵の管理を実践することができました。
 二十一日、塩水で稲の良い種もみを選ぶ「塩水選」の作業をしました。いよいよ、おいしい米づくりの一年のスタートです。三十リットルの水に食塩を約六キロかき混ぜて塩水をつくります(比重一・一三)。新鮮な卵が横に浮かぶのが目安です。
 ここに種もみを入れると、軽いもの、茶色の病気のものは浮かぶので取り除きます。こうして中身の充実した良い種もみを選び、六〇度のお湯に十分間入れて殺菌します。さらに約十二日間水に浸し、十分に水分を含ませてから四月に種まきです。
 稲は約三千五百年前に中国から伝わってきたといわれています。どんな冷害も干ばつも乗り越えてきた先人の知恵と技を受け継いでいくのが、私たちの仕事です。(菅野正寿 農家。福島県二本松市東和地区で農産加工と農家民宿を主宰)

<旬の香り>三色ぼたもち

 季節の節目に食する餅。春のお彼岸は、ぼたもちです。うるち米1、もち米2の割合でご飯を炊き、よく混ぜて食べやすい俵形にします。
 小豆をよく煮てすりつぶし、砂糖と少しの塩を入れて粒あんを作り、ご飯を包みます。青豆きな粉と、炒(い)って、よくすりつぶしたじゅうねん(エゴマ)は、それぞれ砂糖と塩で味付けして、ご飯をくるみます。三つの彩りと味を楽しめます=写真。

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