何人死ねば、国際社会は助けてくれるのか…ミャンマーで広がる「R2P」とは

2021年4月1日 21時39分
1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国際社会の助けを求める若者ら=住民提供

1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国際社会の助けを求める若者ら=住民提供

  • 1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国際社会の助けを求める若者ら=住民提供
  • 1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国際社会の助けを求める若者ら=住民提供
  • 1日、ミャンマー・カイン州で、国軍の空爆で焼き払われたカレン族の村=Free Burma Rangers提供
  • 1日、ミャンマー・カイン州で、国軍の空爆で顔にけがをしたカレン族の子ども=Free Burma Rangers提供
 【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマー国軍から連日銃口を向けられている市民は、国際社会に「保護する責任」を訴えている。抗議デモで掲げられ、夜の集会ではろうそくの明かりで浮かび上がる「R2P」の文字。「保護する責任」を表す英語「Responsibility To Protect」の略語だ。
 R2Pの考え方は、ルワンダやボスニア内戦などで大量虐殺を防げなかった教訓から生まれた。国連は2005年、内戦や虐殺のエスカレートで主権国家が自国民を保護できない場合、国際社会が武力を含む人道的介入で「保護する責任がある」と明文化した。だが、R2Pを掲げて11年に多国籍軍が軍事介入したリビアでは、内戦の泥沼化で大量の難民が発生した。
 国軍弾圧の犠牲者が500人を超えたミャンマーに対し、欧米や国連は「暴力の即時停止」を繰り返し訴えているが、国軍は「さまざまな民主国家の形がある」と応じる気配はない。
 「何人死ねば、国連は動くのか」。市民の一部に武力介入を求める切実な声がある一方、現実的ではないとの見方も強い。地元記者は「欧米の制裁は強まっており、市民からの訴えは重要だ。ただ国際社会頼みの幻想は捨て、効果を上げている市民不服従運動(CDM)を組織的、持続的に進める必要がある」と指摘する。
 オンラインメディア「ミャンマー・ナウ」は、国軍に対抗するため「武器を取るときがきた」と話し、訓練を受けるため少数民族武装勢力の支配地域へ向かう若者の姿を報じた。クーデター以降、普通の暮らしを奪われ抗議運動に加わったが「街頭で声を上げれば間違いなく撃たれる。火炎瓶を投げるだけではだめだ」と覚悟する声を伝えた。
 市民と少数民族勢力の連携の動きに対し、国軍は3月31日「民族和解を図り、4月中旬のミャンマー正月を祝う」と月末までの攻撃停止を発表。しかし、南東部カイン州で空爆が続き、3月27日以降、20人以上が死亡している。

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