<社説>ブラック校則 各校で開かれた対話を

2021年4月2日 07時29分
 下着の色を指定するなど、いわゆる「ブラック校則」を見直す機運が生まれている。人権を侵害したり、理不尽だったりする校則も依然残る。各校で生徒を交えた対話が始まることを期待したい。
 「学校に制服強制の権限があるか否かを明らかに」「人権侵害・健康を害する校則は即刻廃止と通知」。現職教員や若者団体の代表らは三月下旬、こんな要望書を約一万九千筆の署名とともに萩生田光一文部科学相に提出した。
 萩生田文科相は記者会見などで、校則や指導は各校の判断に委ねられているとした上で「下着の色までというのは、どういう根拠なのか個人的には不思議」「民主的に皆さんが話し合って変えていくことについて異論はない」と述べている。
 「ブラック校則」は、二〇一七年に大阪府立高校の元生徒が地毛の黒染めを強要され不登校になったとして、府に損害賠償を求めて提訴したことが一つの契機となり注目された。NPO有志によるネット上での情報提供の呼びかけに「登山での水飲み禁止」など健康にかかわる校則も報告された。
 今年二月の大阪地裁判決は違法性を認めなかったが、一石が投じられたことで、校則を見直す動きも出ている。
 文科省の一九年度調査で、校則など「学校の決まりなどをめぐる問題」で不登校になった児童生徒は小中高合わせて五千五百人以上に上る。この数字の意味は重い。
 下着の色の指定や検査など、子どもの人権を侵害しかねない校則の見直しを求める通知を出した教育委員会もある。校則をHPで公開する自治体も出てきている。
 新型コロナウイルスの感染防止策として洗濯しやすい私服も選択できるようにした学校もあり、制服の存在意義も見直されている。
 前時代的な校則が存続してきたことは学校の閉鎖性と無縁ではない。現行の校則が、そもそもどんな目的で存在しているのか。教育目的を達成する手段だったはずの校則が目的そのものになってしまっていないか。細かな校則を定めている学校は一度、自らを問い直してみてはどうだろう。
 その上で、それぞれの学校で生徒らも交えて、開かれた対話を始めてほしい。性的少数者(LGBT)への配慮や、教員の働き方改革など社会的な要請もある。
 生徒らが自らが通う学校のルール作りに参画することは、これからの民主主義の担い手にとって、貴重な第一歩になるはずだ。

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