花粉症の症状、大気中の鉛で悪化 福井大と名大が調査

2021年4月2日 11時51分
 くしゃみや鼻づまりといったスギ花粉症の症状が、花粉にくっついた大気汚染物質である鉛の濃度によって重くなることを、福井大と名古屋大の研究チームが突き止めた。鉛が症状を悪化させる詳細な仕組みが解明されれば、症状軽減につながる可能性がある。(波多野智月、白名正和)
 花粉症は日本の国民病とも言われ、スギ花粉症は2人に1人が悩んでいるとされる。世界でも、花粉症を含む季節性アレルギー性鼻炎は10人中1~3人が発症しているとされる。
 研究チームは、福井県内の花粉症患者約40人の鼻水内の鉛、水銀、カドミウムなどの重金属の濃度と花粉症の症状の関係性を調べた。結果、鉛の濃度が高いほど、くしゃみや鼻づまりなどの症状が重くなっていることが分かった。スギ花粉に大気中の鉛粒子が付着し、その一部が鼻の奥に残って症状を引き起こしているとみられる。鉛以外の影響は確認されなかった。
 マウスを使った実験では、健常マウスは鼻に鉛を入れても変化がないが、花粉症マウスは鉛を入れるとくしゃみの回数が2倍近く、鼻をこする回数は1・3倍ほどに増加した。
 福井大の藤枝重治教授(耳鼻咽喉科)は「鼻の中の鉛を除去し、症状を改善する方法を検討したい」と説明。名古屋大大学院医学系研究科の加藤昌志教授(環境労働衛生学)は「大気中の鉛という、世界の環境問題を考えることにもつながる成果だ」と話した。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧