2030年に温室効果ガス排出どれぐらい削減? 日本は目標引き上げ不可避

2021年4月2日 18時00分
 日本は2030年までに、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)を主とした温室効果ガスの排出を「13年度比26%減」としているが、菅義偉首相が掲げた50年排出実質ゼロを実現するにはほど遠いレベルにある。政府は目標引き上げに向けた議論を進めているが、国際的な研究組織は「13年度60%以上減」が必要と指摘する。野心的な目標に変えて、国際的な存在感を示せるのかが焦点だ。
 菅首相は就任直後の20年10月、50年に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指すと表明。CO2排出が多い低効率な石炭火力発電の休廃止、風力を中心とした再生可能エネルギーの普及、原発再稼働の推進を柱にした上で、2兆円の基金をつくって今後10年間で脱炭素の技術開発に力を入れるとしている。

◆温暖化対策 日本は存在感アピールの正念場

 産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標達成に向け、先進国で脱炭素の動きが進む。政府は3月31日、気候変動政策に関する有識者会議(座長・伊藤元重学習院大教授)の初会合を開催。参加者からは「13年度比50%減とするべきだ」などの声が上がった。
 日本が新たな目標を示すための時間的な猶予は限られている。気候変動対策に積極的な米バイデン大統領は、4月22、23日に各国首脳との会合で排出削減強化を協議予定。6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)も「脱炭素」が主要議題だ。こうした場で日本が積極姿勢を示せなければ批判を免れない。

◆「2013年比で60%以上削減が必要」と国際的な研究組織

 企業や自治体、市民団体などで作る「気候変動イニシアティブ」は、2030年の排出削減目標を13年比で45%以上に引き上げるよう、政府に求めている。カギは、再生エネの目標を40~50%にすることだ。
 国際的な研究組織「クライメート・アクション・トラッカー」は、日本はパリ協定の目標達成のために、30年までに13年比で60%以上削減する必要があるという分析結果を公表した。石炭火力発電を30年までに廃止し、再生エネ比率を60%以上に高める必要があるとしている。(小川慎一)

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