デジタル法案、個人情報収集の懸念消えず 63本一括、審議27時間 わずかな修正で衆院委可決

2021年4月2日 21時49分
 デジタル庁設置や個人情報保護法改正を含むデジタル改革関連法案は2日、衆院内閣委員会で採決され、与党などの賛成多数で可決された。法案は障害者への配慮を明確化するなど数カ所修正されたが、立憲民主党が求めた個人情報の目的外利用の要件を厳格化する修正案は否決された。同じ趣旨の付帯決議は可決されたが法的拘束力はない。5法案・63本を一括して扱いながら、審議時間は約27時間半。本人の同意なく個人情報が政府に集約される懸念は残る。(井上峻輔)
 関連法案が成立すると、国や自治体の情報システムが統一・標準化され、民間や行政機関、地方自治体でばらばらだった個人情報保護制度も一元化され、情報のやりとりが容易になる。

◆目的外利用の厳格化案など否決

 立民が提出した修正案は行政機関が個人情報を目的外に使う際の要件を、原案の「相当の理由」から「利用しなければ業務の適正な遂行に著しい支障」「必要最小限度の範囲で利用」などと限定することが柱。
 原案のままでは本人の同意がない利用が無制限に広がりかねないとして、個人情報の収集や使用への本人の関与を強めるために、保護法の目的に「個人情報の取り扱いについて自ら決定する権利」(自己情報コントロール権)の保障を明記することも求めた。与党は法案の主な目的とする「データの利活用」と相いれないとして反対した。
 立民は否決された修正案の代わりに「相当の理由」を厳格に認定することや判断の適否を個人情報保護委員会が監視することなどを求めた付帯決議案を与党と共同で提出、可決された。

◆「付帯決議では政府縛れない」

 法案を「デジタル監視法案」と批判する弁護士の大江京子さんは本紙の取材に付帯決議について「政府を縛る法的な効力がない」と指摘。28項目にわたる決議を「それだけ多くの課題が残されたままということだ」と語った。
 政府・与党は法案の来週中の衆院通過と月内の成立を目指している。関連法案のうち、国の基準に適合した情報システム利用を自治体に義務付ける「地方公共団体情報システム標準化法案」は今後、衆院総務委員会で審議される。

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