バイオマス食器で「いただきます」 保育園の給食で使用 麻生の農家と企業、大学の試作品
2021年4月4日 07時10分
廃棄する果樹の枝や竹などの素材を原料としたバイオマス食器を、麻生区の農家と地元企業、大学が連携して開発している。試作品が完成し、区内の保育園で、この食器を使った給食が提供された。
バイオマス食器に使った素材は、農業生産法人「カルナエスト」(同区岡上)の畑で栽培しているワイン用ブドウや禅寺丸柿の枝など。剪定(せんてい)した枝や伐採した竹の処分費用は高く、都市農業だけに野焼きもできないことから、有効活用を模索していた同法人代表の山田貢さん(39)が、バイオマス食器にするアイデアを思いついた。
プロジェクトは昨年四月にスタート。剪定した枝や竹を粉砕したチップを、樹脂プラスチック加工会社ユニオン産業(中原区)に持ち込んで製作を依頼。三つの素材ごとに樹脂と配合し、園児も使いやすいワンプレート食器を三種類試作した。食器のデザインは和光大学表現学部芸術学科の学生が担当した。
試作品は三月二十六日、「リトルピエノ保育園新百合ケ丘ルーム」の給食でお披露目された。ゼロ〜二歳の園児十人に、食事の前に山田さんは剪定した枝を見せながら、食器の由来を説明。子どもたちからは「すごーい!」という声が上がった。
試作品に含まれる自然素材は52%だが、生分解できる食器ができたら製品化を目指すという。
山田さんは「地域資源を有効活用し、地域の人や企業の連携により、循環型社会をつくることができる」と期待を込める。 (岡本美紀)
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