劇場をワクワクする「宝箱」に さいたま芸術劇場「次期」芸術監督・近藤良平さんに聞く

2021年4月4日 07時13分

「今はまだ夢見がち。アイデアはいっぱい出てくる」と語る近藤さん=彩の国さいたま芸術劇場で

 二〇二二年の正式就任を前に、四月から一年間は彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)の「次期」芸術監督を務めるダンサー・演出家の近藤良平さん(52)。耳慣れぬ肩書を楽しみつつ、アイデアを膨らませる近藤さんに抱負を聞いた。 (前田朋子)
 −就任要請をどう受け止めた?
 びっくりですよ。まず芸術監督って何をするんだろうと。漠然と蜷川(幸雄・前芸術監督)さんを知ってるってのはあったけど、辞書にも書いてない(笑)。僕は(主宰するダンスカンパニー)コンドルズなどで振り付けをする表現者で、ある意味「お題」をもらってずっとやってきた。今度はお題を出す方、サイコロを転がす人で、覚悟がいると感じます。
 −これから一年の取り組みは
 職員らスタッフと話し合い「面白い、楽しい」を探す作業になるのかな。と同時に芸術劇場をホームに、蓄積した経験や人脈で世界や地方をつなげていけたら。共演したこともある神奈川芸術劇場の長塚圭史(芸術監督)や、勅使川原(三郎・愛知県芸術劇場芸術監督)さんとも手軽に話せる間柄。橋渡しもできるかな。
 −分野を超えた活動が評価された。今後やってみたいことは
 僕自身は楽器もいじるし作曲もする。絵本も描き、映像も編集する。表現の表側は多様だが、核は変わらない。例えば音楽なら耳を傾けるだけではなく、視覚が混ざったものもあるだろう。縦横無尽に(プログラムを)提供したい。
 −コロナ下で配信などが進み、劇場の存在意義が問われている
 オンラインもいいが、人は新しいことにすぐ慣れ、飽きてしまう。劇場・舞台は人が集まり、濃い。訪れる「ハレ」感もあり、結局は劇場に回帰するのでは。劇場も見に行くだけでなく地域に開かれ参加する場になっている。その過渡期に芸術監督になるのはむちゃくちゃ面白いと思います。
 −劇場を出演者、観客にとってどんな場に?
 設備面が素晴らしいのでシンプルにここでやれてうれしいと思える場に。一般の方には、チケットを持つ人はもちろん、犬の散歩で前を通り掛かった人にも「あそこにはワクワクすることがあるんだろうな」って思えるような「宝箱」でありたいなと思っています。
 ◇ 
 近藤さん主宰の「コンドルズ」の同劇場での新作公演は六月五、六日の三公演。一般チケットは四月四日発売。問い合わせは劇場チケットセンター=電0570(064)939=へ。

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