ママ友との話題はランドセル…入学の1年以上前から始まる「ラン活」最新事情

2021年4月5日 07時06分

群馬県桐生市のモギカバン本店。ずらりと並ぶランドセルから気に入ったものを鏡で入念にチェック

 「ラン活」という言葉を知っていますか? ランドセルを選ぶ活動のことでネットを中心に広まっている。真新しいランドセルを背負った新1年生が入学式を迎えるが、すでに来年に向けてのラン活は始まっている。購入時期は年々早まり、幼稚園や保育園の「年中」のうちにランドセルを決める保護者も少なくない。「ラン活」の最新事情を探った。
 三月下旬、群馬県桐生市の老舗かばん店「モギカバン」には、色とりどりのランドセル約二百点が並んでいた。同社は三月四日に二〇二二年度入学向けの予約を開始した。茂木理亨(よしゆき)代表は「受け付け開始直後からフルアクセル状態」。週末は入店に一時間以上待ってもらうほどだという。

縫製や革など、品質に定評のあるモギカバンのランドセル

 平日に娘の莉心(りこ)ちゃん(5つ)と同店を訪れた前橋市の山城友美さんは「最近のママ友との会話はランドセルの話題ばかり。もう買った子もいる」。小学校卒業後にキーケースなどにリメークすることを見据え、落ち着いた色の本革のランドセルを検討しているが、莉心ちゃんは光沢のある人工皮革が気に入った様子。友美さんは「意見のすりあわせが課題ですね」と苦笑い。
 同社の自慢は職人が手作りする本革のランドセル。戦前から地域の子どもたち向けに製造していたが、少子化への危機感から、販路を広げようと〇八年ごろにネット販売を始めた。すると全国的には少ない本革のランドセルを求めて注文が殺到。だが本革は発注から入荷まで時間がかかり、増産は難しい。「売り切れが出るのが年々早まり、なるべく早く本命のランドセルを決めようとラン活が早まった」と茂木代表。
 牛革のランドセルを試着した関根志帆ちゃん(5つ)=同県みどり市=をスマートフォンで撮影していた母の佐恵美さんも「ゴールデンウイークごろには売り切れが出ると聞いたので、選択肢があるうちに決めたい」と焦りをのぞかせた。
 同社は遠方の子どもたちにも実物を背負ってもらおうと、五年ほど前から配送でサンプル商品を貸し出している。もともと関東以遠向けのサービスだったが、昨年はコロナ禍で展示会が開けなかったことから、対象地域を店舗から十五キロ圏外に拡大。貸し出しの申し込みは例年の約五倍になり、家庭でじっくりと検討できるとあって多くが購入に結び付いた。今年も同様に対応している。

女の子向けの黒や紺のランドセル=おりじなるぼっくす横浜駅西口店で

 ランドセルといえば男の子は黒、女の子は赤だったのも今は昔。ランドセル専門店「おりじなるぼっくす」(本店・横浜市)旗艦店の横浜駅西口店には、女児向けの黒や紺のランドセルも。ただし昔の男児用のような真っ黒ではなく、刺しゅうがあしらわれたり、リボンの形のびょうが付いていて、かわいい。鈴木茂代表は「全体的には少ないが、黒や紺を選ぶ女の子は徐々に増えてきている。親世代にジェンダーフリーの意識が浸透し、黒や紺が欲しいという子どもの気持ちを受け入れやすくなったのでは」と話す。キャメルや濃い紫などは男女どちらにも選ばれているという。

横浜市のおりじなるぼっくす横浜駅西口店は、いろいろなメーカーのランドセルを比較できる専門店

 学習のスタイルが変われば、ランドセルの形も変わる。今年からパソコンやタブレットを児童一人に一台配備し、デジタル教科書などを使った授業が本格スタートするのに合わせ、タブレットケース付きのランドセルにも注目が集まっている。
 高島屋は業界に先駆けて一七年にタブレットケース付きのランドセルを発売した。来年の新入生向けには、スナップボタンで本体に固定できるタイプなど二種類を展開。かぶせ裏とタブレットケースには、デザイン性の高い生地などを扱う京都のブランド「SOU・SOU(ソウソウ)」で人気の柄。ランドセルを開けるのが楽しみになりそうだ。

京都のブランド「SOU・SOU」の柄のタブレットケースが付いた高島屋のランドセル=高島屋提供

 文・北條香子/写真・佐藤哲紀、木口慎子
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