時が変われば…

2021年4月5日 07時07分

2016年10月30日、JR貨物隅田川駅(荒川区)で大勢のファンに囲まれるDD51形1805号機(右)

 時とともにファンの心もうつろうもの。
 3月13日のJR各社ダイヤ改正では、「デデゴイチ」と呼ばれるディーゼル機関車(DL)DD51形が注目された。最後に残っていたJR貨物の定期運用がなくなったのだ。前日、三重県の四日市駅で行われた「引退」セレモニーにはファンが詰めかけ、ラストランにカメラを向けた。
 朱色で、真横から見ると凸型をしたDD51。1962年から78年までに649両が製造された。さよなら運転が惜しまれるのはいつものことだが、私のように半世紀に及ぶ「撮り鉄」からすれば、隔世の感を否めない。というのも、旧国鉄が蒸気機関車(SL)を消滅させる「無煙化」を進めた中で、DD51はその代替機の使命を担わされ、1字違いの「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51形などSLをもてはやすファンから目の敵にされたからだ。当時は、鉄道ファンといえばSLファンと同義語のような時代だった。
 鉄道に関心を抱く者として、消えゆくものを惜しむだけでいいのだろうか、と自問する。地域住民の欠かせぬ足となり、物流の主役として活躍する日常の姿こそ、実は誇らしい。撮りためたDD51のかつての雄姿を1枚1枚振り返るとき、その思いを強くする。 (デジタル編集部・嶋田昭浩)

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