キャンバスにぶつけた50年の絵日記 袖ケ浦在住・中島敏明さん 郷土博物館で企画展

2021年4月5日 07時30分

作品を前に立つ中島敏明さん。半世紀の画業を紹介する企画展が開催されている=いずれも袖ケ浦市下新田の市郷土博物館で

 袖ケ浦市在住の画家中島敏明さん(72)の半世紀にわたる歩みを紹介する企画展「袖ケ浦の美術 中島敏明展−画業50年の軌跡『elegy(エレジー)と慈愛』−」が、市郷土博物館で開かれている。油絵を中心に約七十点が並び、100号(縦百六十二センチ、横百三十センチ)を超える大型作品も堪能できる。オープニングセレモニーで中島さんは「すべてをキャンバスにぶつけて仕事をしてきた。五十年の絵日記をぜひ見てほしい」とあいさつした。十八日まで。 (山田雄一郎)
 中島さんは福島県南相馬市生まれ。就職後に画家を志し、一九七二年に二科展初入選。八一年、袖ケ浦にアトリエを構え、二〇〇二年に同展で内閣総理大臣賞を受賞した。現在は公益社団法人二科会理事、千葉県美術会常任理事を務める。
 企画展は袖ケ浦市市制施行三十周年の記念事業で、作品を主に(1)初期作品(2)elegyの世界(3)慈愛の世界−の三つに分けた。若いころは夢や内面世界を表現していた中島さんだが、四十代以降は社会情勢や家族をテーマに描いているといい、多彩な作風が見どころの一つとなっている。
 曲線の柔らかさを生かし抽象化した人物画が多いのも特徴。母親が子どもを抱きかかえたり、二人の人間が肩を抱き合うような作品が掲示され「慈しみ」や「霊性」「鼓動」といったタイトルがつく。
 個々の作品の説明は極力省いており、目にする人によってさまざまな解釈が可能。中島さんは「(絵画は)制作者から離れると鑑賞者にゆだねられる。鑑賞者が見て感じたことが正しい答え」とする。
 東日本大震災で被災し、故郷の福島県から千葉県に避難していた児童たちのために「お絵かき」を教えるなど、中島さんが続けてきた復興支援の取り組みも伝えている。
 午前九時〜午後五時。月曜休館。無料。問い合わせは、市郷土博物館=電0438(63)0811=へ。

柔らかな曲線を生かした作品が並ぶ展示室


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