「異界」へ誘う 詩人のマーサ・ナカムラ展 詩作の原点や作品紹介 前橋文学館

2021年4月5日 07時48分

灯台の照明が壁一面の詩を照らす展示=前橋市で

 優れた現代詩に贈られる第28回萩原朔太郎賞(前橋市など主催)を最年少で受賞した、詩人のマーサ・ナカムラさん(30)の企画展「変な話をしたい。−異界への招待」が、前橋市千代田町の前橋文学館で開かれている。作品の特色である「異界」へ誘う仕掛けを展示に取り入れ、詩作の原点から同賞受賞以降の作品まで、創作ノートや雑誌など計約100点を紹介している。6月6日まで。 (市川勘太郎)
 ナカムラさんは埼玉県に生まれ、二〇一六年に現代詩手帖賞、一八年に中原中也賞を受賞。中学、高校時代は能楽部に所属した。実際に着た着物や扇、小学生の時から集めていた紙人形や美人画の絵はがきなど思い出の品が並ぶ。
 早稲田大在学中、詩人の蜂飼耳さん(現立教大文学部教授)の授業を取り、詩の面白さを実感した。課題で初めて書いた詩の作品「ありがとうラジオ」は原点が分かる貴重な資料だ。
 企画展名は受賞作「雨をよぶ灯台」に収録の「おとうさん」の冒頭を引用した。収録作品の「新世界」は壁一面で紹介。詩集の題名にある灯台を会場につくり、その照明が文字を照らす演出が目を引く。展示ケース下の空間を使い、布をめくると中には作品に関係する能楽の資料などがある仕掛けも設けた。
 企画展に連動し、ナカムラさんを含む詩人四人が意見交換する動画の全編は動画投稿サイト「ユーチューブ」の同館公式チャンネルで視聴できる。
 同館の松井貴子学芸員は「これは何だろうと思う仕掛けを展示にちりばめている。展示をきっかけに作品を読んでもらいたい」と話している。
 開館は午前九時〜午後五時。原則水曜休館。観覧料は一般四百円、高校生以下無料。

関連キーワード

PR情報

群馬の新着

記事一覧