「東電の能力、再評価を」新潟県知事が原子力規制庁長官に要望 柏崎刈羽原発のテロ対策不備で

2021年4月5日 15時01分
新潟県の花角英世知事(右)は原子力規制庁の荻野徹長官に、東京電力に原発を動かす能力があるのか再評価するよう要請した=5日午後2時11分、東京・六本木で

新潟県の花角英世知事(右)は原子力規制庁の荻野徹長官に、東京電力に原発を動かす能力があるのか再評価するよう要請した=5日午後2時11分、東京・六本木で

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で長期間続いていたテロ対策設備の不備を巡り、新潟県の花角英世知事は5日、東京・六本木の原子力規制委員会を訪れ、事務方トップの荻野徹長官と面会した。花角氏は「一連の不祥事で東電に対する県民の信頼は大きく損なわれている」と述べ、東電に原発を動かす技術的能力があるかどうかを再評価するよう要請した。(小野沢健太)

◆「追加検査で再評価」と規制庁長官

 荻野長官は「東電の能力を改めて評価するというのは、私どもが追加検査でやろうとしていることと同じです」と応じた。
 花角氏は「地元への情報提供に大きな不満がある。地域の不安にできる限り応えるよう、東京電力に強く指導してほしい」とも要請。荻野長官は「テロ対策の情報開示には制約があるが、公開されるべきものが公開されないことがないようにする」と話した。
 
 花角氏は面談後、報道陣の取材に「再評価の要望は趣旨を理解してもらえた。規制委の追加検査を注視したい」と述べた。
 更田ふけた豊志委員長ら委員は同席しなかった。規制庁によると、庁内で委員が原発が立地する自治体の首長と面会して、要望を受けることは原則ない。
 東電が経営再建のために再稼働を計画している柏崎刈羽原発6、7号機は、2017年12月に原発の新規制基準に適合済み。規制委は新基準の審査で東電社長を呼び、東電に原発を動かす資格があるのかを見極める異例の対応をし、「資格あり」と判断した経緯がある。
 柏崎刈羽7号機は再稼働に向けた一連の審査を20年10月に終えて、最終盤の検査の段階だった。ところが、21年1月以降にテロ対策設備の不備が相次いで発覚。規制委は追加検査などが終わるまで、7号機の原子炉起動に関する審査をストップする方針。また近く、事実上の「運転禁止」命令を出す。

柏崎刈羽原発のテロ対策不備 東電柏崎刈羽原発の男性社員が20年9月、原発の心臓部である中央制御室に他人のIDカードを無断で持ち出して不正に入室していたことを、規制委が2021年1月に把握。規制委の2月下旬の検査では、20年3月~21年2月、侵入検知装置が16カ所で故障し、うち10カ所は代わりの対応も不十分で、侵入を検知できない状態が30日間を超えて続いていたことが判明した。規制委はセキュリティー上「最も深刻な事態」として、4段階で最悪レベルの「赤」と評価した。

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