国内初?の信号機跡が出土 高輪築堤の現地保存に追い風なるか JR東日本は「困難」

2021年4月5日 18時53分

明治末~大正前期に発行された写真入りはがき。蒸気機関車の左側に腕木式信号機が写る=品川区立品川歴史館提供

 明治初期に国内初の鉄道の一部として造られ、JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側の再開発で昨年出土した「高輪築堤ちくてい」の調査で、国内で最初に設置された鉄道信号機の土台跡が新たに確認された。区教育委員会によると、海側の石垣のり面の一部を盛り上げた形で、信号柱を支えたとみられる木製の基礎も確認された。

◆当時の写真とほぼ同じ場所

 JR東日本は、信号機跡を含むエリアについて、取材に「地域交通の拠点となる駅前広場などを整備するため、現地保存は困難」と説明している。日本考古学協会は5日、信号機跡は「築堤全体の意義をさらに高める」とし、遺構全体の現地保存をあらためて求めるコメントを辻秀人会長名で出した。

海側の石垣ののり面を一部盛り上げる形で設けられた信号機の土台跡=東京都港区で

 信号機跡は、再開発地区の最も南側のエリアから出土。北の新橋駅側から見ると旧海岸に沿う左カーブが始まる地点に当たる。明治末~大正前期に発行された写真入りはがきには、ほぼ同じ場所とみられる信号機が写っている。当時は柱に取り付けた木の板で「進行」「停止」を示す「腕木うでぎ式」だったとされる。

◆遺構調査はほぼ終了 あとは再開発か保存か

 JR東が2024年度の街開きを目指す再開発地区9.5ヘクタールからは、計約730メートルにわたり、築堤の海側を固めた石垣が出土。港区教委の担当者は「遺構を露出させる調査はおおむね終了した」と話している。
 高輪築堤の保存を巡り、JR東は3月、自民党の議員有志の会合で、海岸と沖合の水路を確保するため築堤に設けられた「第7橋梁きょうりょう」の現地保存に向け、再開発計画の変更案を提示している。(梅野光春)

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