やまぬヘイト「国は対策を」 弁護士やNGO 声明相次ぐ 川崎市へも一層の取り組み求める

2021年4月6日 07時10分
 川崎市の多文化交流施設「ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンを脅迫する文書が届いた事件を受け、弁護士や研究者でつくる団体が国にヘイトクライム(差別的動機による犯罪)対策を求める声明を出した。差別をあおる市内の街宣やネット投稿がやまないことを憂慮し、県弁護士会も川崎市に一層の取り組みを求める声明を出し、差別解消を求める声が広がっている。 (安藤恭子)
 三月三十一日付で「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明」を出したのは、非政府組織(NGO)「外国人人権法連絡会」。「ヘイトクライムを放置すれば、さらなる差別、暴力、ジェノサイド(民族大量虐殺)や戦争につながることは歴史が示している」と強い懸念を表明した。
 実際にコロナ禍の米国でアジア系住民に対する銃殺や暴力などのヘイトクライムが相次いでいる事態を挙げ、バイデン大統領が三月、事件現場に赴き「沈黙は加担と一緒だ」と述べたことに触れた。ヘイトクライムの統計調査や防止法の整備など他国の対策も示し、日本政府にこの国で起きているヘイトクライムを問題として認め、対策に向けた宣言をするよう求めた。
 また県弁護士会は三月二十五日、声明を出し、川崎、相模原の両市長に送った。川崎駅前を中心とした保守系団体の街宣、公園のベンチなどへの落書き、川崎関連のネット上の投稿などの事例を挙げて「差別をあおり、排斥を助長する言動は決して許されない」と表明。
 川崎市に差別禁止条例に基づく一層の取り組みを求めるとともに、相模原市で進むヘイトスピーチ規制条例制定を支持。「日本人差別の条例」という批判については「いたずらに対立をあおり不当」とした。
 ふれあい館には三月十八日、在日コリアンの館長宛てに「コロナ入り」と称した菓子の空き袋とともに在日コリアンを攻撃する文書が送られた。館長が脅迫の疑いで告訴状を県警に提出し、受理された。

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