マスク下 口呼吸ご用心 唾液減り乾燥 雑菌繁殖の原因に

2021年4月6日 07時27分
 終わりの見えないコロナ禍の中、子どもから大人までマスクを外せない日々が続く。「息苦しいから」と、無意識のうちにマスクの下で口がぽかーんと開いていないだろうか。そうした状態が続くと口呼吸になって、口の中が乾燥。雑菌が繁殖しやすくなるといったリスクがある。歯科医師らは、意識して鼻から空気を吸ったり吐いたりするよう呼び掛けている。 (細川暁子)
 人は本来、鼻で呼吸をする。ただ「マスクを着けて鼻を覆うと、息苦しさから口を開けて息をする口呼吸になりがち」と、愛知県歯科医師会理事の新道正規さん(61)は指摘する。菓子メーカーのロッテが昨年八月、二十〜六十代の男女四百人に聞いた調査では、約四割がマスク着用で口呼吸になっていると感じていた。
 口が開いたままになって口の中が乾くと、唾液が蒸発しやすい。ただでさえ「マスクを外すのが面倒」と水分摂取を控えがちな人もいるだろう。
 健康な成人の唾液分泌量は一日一〜一・五リットル。その量が減ると、さまざまな問題が起きる。唾液は口内の粘膜を覆い、細菌の繁殖を防ぐ役割を担う。さらには細菌や食べ物のかすを洗い流すほか、虫歯の原因となる酸の力を弱める作用もあるからだ。
 新道さんによると「自分の口臭が気になる」という相談が増えている。「唾液の減少による細菌の増加が原因の一つ」と新道さんはみる。コロナ禍特有の重苦しい状況も、口内環境の悪化に拍車を掛けているという。「ストレスで食べる量が増えるなどする半面、マスク着用で歯磨きがおっくうになっている人が少なくないのでは」と推測する。
 口呼吸は、新型コロナウイルスを含め感染症予防の観点からもよくない。鼻呼吸であれば、鼻の入り口にある鼻毛がほこりや花粉をせき止め、さらに奥の粘膜の表面に生えた線毛がウイルスや細菌などの侵入を防ぐ。しかし、口呼吸だと、鼻より防御機能が落ち、吸い込んだ異物が直接肺に取り込まれやすい。
 歯並びが乱れ、かみ合わせが悪くなる心配も。鼻呼吸だと、舌の表面は上あごについた状態になる。一方で、口呼吸で口が開くと、舌は上あごにつかず下がった状態に。その結果、舌が下の歯を内側から押し広げるのだという。
 口呼吸が癖になったまま大人になると改善が難しい。同県歯科医師会会長の内堀典保さん(68)は「歯並びを守るためにも、鼻呼吸や舌の位置を意識するよう、親から子に教えてほしい」と話す。

◆食前にマッサージし分泌促す

 口内の渇きを防ぐには、唾液を分泌する耳下腺、顎下(がくか)腺、舌下腺を刺激するマッサージが有効だ。高齢者の場合、乾燥は誤嚥(ごえん)性肺炎の原因にもなるため、特に食前にやるといい。
 耳下腺は耳の下にある。指をほおに当て、上の奥歯のあたりを後ろから前へ向かって回す。十回が目安。
 あごの下の顎下腺は、親指をあごの骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下からあごの下まで、五カ所ほどを五回ずつ押すといい。
 舌の下にある舌下腺は、両手の親指で、あごの真下から十回押して刺激する。
 愛知県歯科医師会は、マッサージなど「お口のさわやかエクササイズ」として口の中の健康を保つための方法を動画で公開している。

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