尾崎豊 歌い継ぐ 父と同じ道進む 尾崎裕哉 25日 東京・上野でライブ

2021年4月6日 07時59分
 若者らにカリスマ的人気を誇り、1992年に26歳でこの世を去った尾崎豊。その伝説的ミュージシャンの息子、尾崎裕哉(ひろや)(31)は父と同じシンガー・ソングライターの道を歩み「声を受け継いだ」と評される。名曲を歌い継ぎつつ、オーケストラとの共演など音楽の新たなスタイルにも挑んでいる。「自分にしかできない継承があると思う。尾崎豊の世界観、魂に触れる機会をつくっていきたい」と話す。 (清水祐樹)
 父が亡くなったのは二歳の時。記憶はほぼなく、映像や音源でしか知り得なかった。幼少時から音楽が好きだったが、十二歳ごろから二年間ほど、「父親探し」として尾崎豊の曲しか聴かない縛りを課した。「曲がすごく好きで格好いいと思っていたし、きちんと聴いてみようと考えた」
 曲中のメッセージを「全部、自分に向けられた言葉だ」と感じ、大切にかみしめながら聴いた。生前に発表された七十一曲全てを聴いて覚え、歌えるようになったところで、「自分の中の尾崎豊が一つ、完結した」という。
 五歳から米国で育ち、一九六〇〜九〇年代のロックやブルースの影響を受けた。ギターが好きで、シンガー・ソングライターでギタリストのジョン・メイヤーを敬愛してやまない。帰国後は慶応大へ進学。学業の傍ら、楽曲制作とライブの経験を積んだ。一般企業への就職を考えたこともあったが、「会社員になっても音楽への気持ちを忘れられない」と父と同じ道を選んだ。
 その理由の一つが「声」だった。情感あふれ、切なくも力強い歌声は、尾崎豊をほうふつとさせ、二〇一六年にテレビ出演した際は大きな反響を呼んだ。「声が似ていると言われるのはうれしいし、運命を感じる。似ているからこそ、やる価値があると思った」
 同年のメジャーデビュー後は弾き語りツアーなどライブ活動を続けながら、曲づくりも。昨年十月には初のフルアルバム「Golden Hour」をリリースした。ライブでは、父の曲も披露する。「尾崎豊は今も若者や自由の代表としてとらえられている。言葉や音楽の力を証明した彼の楽曲を歌い継いでいきたい」
 父の曲で特に好きなのは「僕が僕であるために」。「勝ち続けなきゃならない」などの歌詞から、音楽を続ける上で何かを犠牲にしたようなニュアンスが感じられるとし、「自分を鼓舞する歌としても、しっくりくる」と話す。

尾崎豊

 ポップスとクラシックを融合する新たな試みとして、オーケストラとの共演にも挑む。大人数での演奏はバンドのリズムと異なり、独特だといい、「音の波に乗る感覚。揺らぎをどう楽しみ、自分でもつくっていくかが重要」と説明。「いいホールで生のいい音が奏でられる、とてもぜいたくな時間。でも、オケとの真剣勝負の場でもある」
 今月二十五日には東京文化会館(東京・上野)で、シンガー・ソングライター石崎ひゅーいとのフルオーケストラでのライブに臨む。音楽監督は、尾崎豊を世に送り出したプロデューサー須藤晃。石崎とは一三年の尾崎豊トリビュートライブで初共演し、「尾崎豊の魂みたいなものをすごく感じた」といい、互いに刺激し合ってきた仲だ。
 父の曲では「15の夜」「I LOVE YOU」などを歌う予定。「尾崎豊ファンにも、いろいろな継承の形として新しくなっていく姿を楽しんでもらえると思う」と意気込んだ。
 キョードー東京=(電)0570・550・799。

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