日本の「核のごみ」をカナダに埋める計画が浮上 実現の見通しは厳しく

2021年4月6日 11時19分
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の保管センター=青森県六ケ所村で(2017年撮影)

高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の保管センター=青森県六ケ所村で(2017年撮影)

 【ワシントン=吉田通夫】日本の原発から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」を、カナダにつくる最終処分場に埋める計画が水面下で進んでいたことが分かった。カナダ公共放送(CBC)が関係者のメールを入手。計画に関わったクレティエン元首相が認めた。地元自治体は拒否し、実現の可能性はないとしている。
 CBCによると、クレティエン氏らは、核のごみを地中深くに埋設する「地層処分」の処分場をカナダ東海岸のニューファンドランド・ラブラドル州に計画。2019年夏から20年にかけて、カナダの企業経営者のほか日本の広告代理店や原子力業界関係者、米国の元原発政策担当者らの間でメールをやりとりし、日本などからの廃棄物受け入れを打診した。
 クレティエン氏は1993年から10年間首相を務めたが、計画にはカナダ企業の弁護士として関わったという。20年4月にはカナダで一堂に会する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で中止された。
 CBCの取材に、クレティエン氏は「われわれは(核燃料の原材料となる)ウランを売ったのだから、買った国が直面する問題の手助けをするべきだ」と計画の存在を認めた。これに対し、地元のフューリー州首相は20年にクレティエン氏から計画を聞いたが断ったという。計画の実現可能性は「ゼロだ」と語った。
 最終処分場を巡っては、安全性や環境への懸念が強く、世界でもフィンランドの「オンカロ」を除いて建設されていない。カナダでは23年までに処分地の選定を終える予定だが、ラブラドル州は候補地に入っていなかった。日本では北海道の寿都町と神恵内村で最長20年程度の調査が始まったが、反対運動もあり建設のめどは立っていない。

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