デジタル庁関連法案が衆院通過 「首相に強大な権限」と法律家が緊急声明

2021年4月6日 22時38分
 首相をトップとするデジタル庁設置を柱とするデジタル改革関連法案は6日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決した。成立すると、デジタル庁が9月1日に発足する。法案に反対する法律家有志は国会内で記者会見し「デジタル庁は首相に強大な権限を与え、統治のシステムをゆがめる」などと問題点を指摘。参院で抜本修正できなければ廃案を求める緊急声明を発表した。
 関連法案は63本を束ねた5法案で、それぞれ採決された。デジタル庁設置法案と給付金などの支給を受ける口座の任意登録を可能にする預貯金口座登録法案は共産党以外の全会派が賛成。個人情報保護法改正案を含む整備法案など3法案は立憲民主党も反対した。
 与党は参院での審議を経て、月内成立を目指していたが、参院は別の法案が立て込んでいるため、5月にずれ込む見通し。
 関連法案は、2日の衆院内閣委員会で障害者への配慮を明確にするなど数カ所修正された。

◆法律家「監視国家化への危惧は十分あり得る」

 しかし、民間や行政機関、地方自治体でばらばらだった個人情報保護制度を一元化し情報のやりとりを容易にする個人情報保護法改正案に関し、行政機関が個人情報を目的外に使うことができる要件をより限定的にすることや、「個人情報の取り扱いについて自ら決定する権利」(自己情報コントロール権)の保障を明記することなどを求めた立憲民主党の修正案は、与党が受け入れなかった。
 6日に記者会見した「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」の海渡雄一弁護士はデジタル庁が省庁に対する勧告権など強力な調整機能を持つため、個人情報が本人の同意なく首相の下に集約されるとの懸念が出ていることを踏まえて「デジタル庁は他の省庁に君臨する組織になっていく可能性がある。監視国家化への危惧は十分あり得る」と指摘した。
 三宅弘弁護士は衆院審議で、個人情報保護の強化を求めた立民の修正案が否決されたことを問題視。「監視社会化に対して、十分な手当てができていない」と批判した。
 地方自治体ごとに異なる情報システムを統一する地方公共団体情報システム標準化法案は6日の衆院本会議で審議入り。関連法案は計6法案となった。(清水俊介、井上峻輔)

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