県出土の美しい埴輪 国重文など116点展示 高崎の県立歴史博物館、来月9日まで

2021年4月7日 07時59分

塚廻り古墳群から出土した埴輪=高崎市で

 県内の古墳から出土した多彩な埴輪(はにわ)を一堂に紹介する特別展示「新・すばらしき群馬のはにわ」が、高崎市綿貫町の県立歴史博物館で開かれている。県内で最も美しいと称される「塚廻(まわ)り古墳群」(太田市龍舞町)の埴輪(国重要文化財)や東京国立博物館の所蔵品など計百十六点を展示している。新型コロナウイルスのため事前予約制で五月九日まで。 (安永陽祐)
 歴史博物館によると、国宝や国重文に指定された全国の埴輪五十九件のうち、四割近い二十二件が県内の古墳から出土。県内では埴輪を持つ古墳は約二千基に上り、その数は日本一とも言われる。
 「埴輪王国」の県内でも塚廻り古墳群の埴輪は装束などを忠実に表現し、六世紀前半を中心に築かれ、三十メートル未満の前方後円墳の一種「帆立貝式古墳」や円墳計十二基が確認された。
 小規模の古墳だが、優れた造形の埴輪が多数見つかった。両手をそろえてつく「跪座(きざ)の男子」は、顔をやや上げて前方を恭しく見ており、重要な儀式で主人にひざまずく従者の埴輪。厳粛な場での髪形をしており、鈴付きの腕輪を着け、大刀を腰に備えている。
 椅子に腰掛け、足を下ろして座った「倚座(いざ)の女子」は、呪(じゅ)具の鏡を腰に着け、魔よけの文様を描いた帯やたすき、勾玉(まがたま)の首飾りなどを身に着けた装いで、特別な身分の巫女と考えられる。大刀を持つ巫女や豪華な馬具を身に着けた馬なども展示し、当時の人々の様子が分かる。
 東京国立博物館が収蔵する白石稲荷山古墳(藤岡市白石)などから出土した切り妻造りの家や鉄製武具を表現した埴輪八点も並ぶ。動物埴輪にも焦点を当て、人と特別な関係にあったイノシシや犬、ニワトリといった埴輪も解説している。
 飯田浩光学芸員は「埴輪を見れば、当時の風俗が分かる。展示を通して古墳時代に思いをはせてもらいたい」と話す。開館は午前九時半〜午後五時。観覧料は一般六百円、大学・高校生三百円、中学生以下無料。原則月曜休館。

◆「国宝展示室」に改称

リニューアルした「国宝展示室」=高崎市で

 県立歴史博物館は、国の文化審議会が高崎市の綿貫観音山古墳の出土品を国宝に指定するよう答申してから三月で一年を迎えたのを機に、「東国古墳文化展示室」を「国宝展示室」に改称した。デジタル技術を活用し、展示の配置も変更するなどより分かりやすくリニューアルした。
 同古墳は六世紀後半に造られた墳丘長九十七メートルの前方後円墳。未盗掘で保存状態も良く、多数の埴輪や副葬品が出土した。展示室の三百五十三点は全て国宝。
 改装では、展示室の入り口に曲面のスクリーンを設置し、入館者が立ち止まると反応して映像が流れる。展示を紹介するパネルや映像も一新した。今後は多言語にも対応し、拡張現実(AR)の導入も予定している。 (安永陽祐)

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