福島第一原発処理水の海洋放出、菅首相「近日中に判断」 全漁連会長「絶対反対」伝えたのに…

2021年4月7日 22時54分

敷地内に処理水のタンクが立ち並ぶ東京電力福島第一原発=3月4日、福島県で、本社ヘリ「おおづる」から

 菅義偉首相は7日、東京電力福島第一原発で保管を続けている汚染水を浄化後の処理水の処分を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と官邸で面会した。政府が軸とする海洋放出処分について理解を求めたが、岸会長は「絶対反対」の考えを伝えた。
 岸会長は菅首相から「海洋放出が確実な方法であるという専門家の提言を踏まえ、政府の方針を決定していきたい」と伝えられたことを明らかにした。
 全漁連は昨年10月「漁業者の総意として絶対反対」と政府に慎重な判断を要請。岸会長は記者団に「絶対反対の考えはいささかも変わらない」と明言した。面会は首相からの申し入れ。
 政府は13日にも関係閣僚会議を開き海洋放出処分の方針を決める見通し。菅首相は記者団に「近日中に判断したい」と述べた。梶山弘志経済産業相も「ご理解が得られるよう最善の努力を尽くしたい」と話した。
 処理水の量は125万トンに上り、東電は2022年秋ごろにはタンク容量が満杯になる見通しを示している。(小川慎一)

 福島第一原発の処理水 福島第一原発1~3号機では事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)への冷却水と、原子炉建屋内に流れ込んだ地下水や雨水が混ざり汚染水が大量に発生し、多核種除去設備=ALPS(アルプス)=で浄化してからタンクに保管。処理水には技術的に除去できない放射性物質トリチウムが含まれ、約7割は浄化が不十分でトリチウム以外の放射性物質が国の排出基準を超えて残る。トリチウムの放射線(ベータ線)は比較的弱く、人体に入っても大部分は排出される。トリチウムの放射能は約12年で半減する。

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