県内公立小中の教科書採択 横浜市のみ完全無記名投票 19、20年度 市民オンブズマン調査

2021年4月8日 07時07分
 二〇一九年度の公立小学校と二〇年度の公立中学校の教科書採択で、県内では横浜市教委だけが完全無記名投票で採択していたことが、「かながわ市民オンブズマン」の調査で分かった。オンブズマンの佐藤満喜子・代表幹事は「誰がどの教科書を推したのか分からないのは問題がある。正々堂々と教科書を決めてほしい」と話している。 (志村彰太)
 調査は昨年十一月、全ての都道府県と政令市、県内全市町村の計九十七教委を対象に実施した。
 両年度通じて完全無記名投票だったのは横浜市のほか、栃木県、東京都、山口県、福岡市だった。県内では県と三十市町村の計三十一教委が挙手、横須賀市は一部無記名投票、秦野市が記名投票だった。
 完全無記名投票とした理由について横浜市教委の担当者は取材に「採択前に匿名の人から委員個人に電話があった。外部の影響を受けずに公正な採択をするため無記名投票にした」と説明した。
 教科書採択の会議は七十三教委が公開していた。うち、横浜、大阪両市はインターネット中継もしたという。非公開は十三教委で、県内では松田町が該当した。町教委の担当者は取材に「静謐(せいひつ)な環境で議論する目的だったが、次回に向けて対応を検討したい」と述べた。
 また、人事や懲戒処分など非公開案件の会議についての調査では、ほとんどの教委が発言者と発言内容を記録していたが、県内では藤沢市と二宮町が「記録を取っていない」と回答し、横浜市と相模原市など六市町は概要のみ記録を残すと答えた。
 会議の録音データについて「正式な行政文書ではない」として情報公開請求の対象としていないのは県内では十八教委。佐藤さんは「録音データを行政文書から除外する県情報公開条例に倣う県内市町村が多い。改善を求めたい」と話した。

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