<環境視点>外食、残ったら「モッテコ」 ドギーバッグ持参 民間団体、折り畳み容器を開発

2021年4月8日 07時55分

「モッテコ」のロゴをデザインした容器を見せる小林さん=名古屋市で

 外食時に食べきれなかった料理を持ち帰る容器「ドギーバッグ」。日本ではあまりなじみがなく、一部の飲食店などで使われている程度だが、食品ロスの削減に向けて国も普及に乗り出した。食べ残しの持ち帰りは食中毒など衛生上のリスクがあり、消費者への意識付けも欠かせない。ドギーバッグは日本社会に根付くのか。 (河郷丈史)

◆国が普及推進

 「mottECO(モッテコ)」。環境省は昨年十月、食べ残しを持ち帰る行動をこう呼び、普及させていくと発表した。行動の名称を容器のデザインとともに公募し、二千点超の作品から審査で選んだ。「持って行こう」「もっとエコ」との意味が込められているという。昨年十二月にロゴも作成し、今後、ポスターやステッカーなどの啓発グッズに活用する。
 二〇二一年度は「モッテコ導入モデル事業」と銘打ち、自治体や事業者がドギーバッグを導入したり、消費者への啓発をしたりといった取り組みを支援する。自治体と事業者で一件ずつ、モデルとなる取り組みを選定し、それぞれ五百万円を上限に助成。現在、寄せられた事業案を審査中で、今月中には選定結果を公表するという。

◆繰り返し使用

 民間団体として〇九年から普及に取り組んできたドギーバッグ普及委員会は三月、モッテコのロゴをデザインしたプラスチック製の持ち帰り容器「モッテコボックス」を作った。幅十七センチ、奥行き八センチ、高さ五・五センチの組み立て式で、小さく折り畳んで持ち歩ける。繰り返し洗って使え、料理を入れたまま電子レンジで温めることも可能だ。
 委員長を務める愛知工業大教授の小林富雄さん(47)は「エコバッグと組み合わせるなど売り方を工夫しながら、販路を探したい」と意気込む。国が来年四月の施行を目指すプラスチック資源循環促進法で使い捨てプラスチックの削減が進み、マイフォークやマイスプーンを持ち歩く習慣が広まれば、「持参型のドギーバッグが注目されるきっかけになるのでは」と期待する。

◇衛生上のリスクが課題

 消費者庁は昨年1月の物価モニター調査で、外食時の食べ残しについて質問。持ち帰りそのものには9割が賛成したが、過去1年で料理を食べきれなかったことがある人のうち、持ち帰った人は4割にとどまった。持ち帰らなかった理由は「店の許可が取れるか分からない」「一般的な習慣ではないと思った」「自分から言い出せない」「容器がない」など。食べ残しをもったいないと感じながら、持ち帰りに踏み出せない消費者の意識がうかがえる。
 食べ残しを持ち帰ることは、管理の仕方によって食中毒のリスクもある。早く持ち帰って冷蔵庫に保管したり、食べる前に再加熱して殺菌したり、傷みやすいものは持ち帰りをやめたりと、消費者が自ら判断することが求められる。
 食中毒などが起きたときの風評被害を恐れ、持ち帰りに消極的な飲食店も少なくないのが現状だ。環境省の担当者は「衛生に関する問題は普及の一番のネックと考えている。自己責任で持ち帰るという意識の啓発を進めたい」と話す。
<ドギーバッグ> 「犬にあげる」と言い訳して食べ残しを持ち帰ったことが名称の由来とされ、米国などでは日常的に使われる。特定の容器を指すわけではなく、飲食店が準備したり、客が持参したりしたものを使う。2017年度の国内の食品ロス発生量612万トンのうち、外食産業からは2割に当たる127万トンが発生している。

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