さらば「森田健作知事」在任中の実績は? 抜群の知名度、3期12年の手腕を採点すると…

2021年4月8日 12時00分

両手を広げて退任のあいさつを述べる森田健作知事=県庁で

 森田健作さんが3期12年務めた千葉県知事を退いた。テレビの青春ドラマで人気を呼び、抜群の知名度を誇っていた。だが在任中の話題に乏しかった印象を持つ人もいるだろう。「森田知事」の手腕はどうだったのか、各界の人たちに採点してもらった。結果を先に言うと最高は50点。寂しい点数だった。 (榊原崇仁)
 「具体的に何をやったのか、見えてこなかったんですよね」。森田県政をそう評するのは、政治ウオッチャーで芸人集団「大川興業」の大川豊総裁だ。
 2009年の知事就任会見に大川さんは出席した。「当選前に個人演説会を200回開いたと聞いていた。現場に根ざした政策を会見で語ってくれると期待したけど、『東京湾アクアラインの通行料を800円に値下げする』ばかりで、拍子抜けした。その後はさらに印象が薄い。知事になったのに顔が見えてこないと思っていた」
 大川さんは「千葉って産業も農業も盛んで、エンタメの拠点もある。ガス田だってある。ポテンシャルはすごい。でも、森田さんが政策に反映させたように思えなかった」と残念がる。
 大川さんが森田県政に付けた点は「50点」。「政治家は議論を呼んでこそ。石原慎太郎さんや橋下徹さんはよきにしろあしきにしろ、そういう役割は果たした」。大川さんは、作家や弁護士として知名度が高かった元知事2人と比較し、森田さんの足りなかった点を指摘した。
 政治評論家の有馬晴海さんは「30点」。減点の理由の一つが19年9月の台風15号の対応だ。森田さんは災害対策本部の設置直後に30キロ以上離れた私邸に赴くなど、私的外出を繰り返した。その上、「自分なりに何が問題か見定め、自分の言葉で語ることができなかった」(有馬さん)。
 森田さんの言葉遣いの幼さも有馬さんは気になる。台風対応を謝罪した場面で、森田さんが「俺」と言ったり、コロナ禍での予算を「ガッツ・コロナ予算」と名付けたりしたことだ。
 そして、そもそも有馬さんは「森田さんが何をしたいのか分からなかった」という。「コロナ禍で特に浮き彫りになった。テレビ業界出身の小池百合子東京都知事が国と対峙しながら予算や支援策を引っ張り出そうとしたのとは対照的だった。これまでのタレント知事の中でも一番、残念なケース。亡くなった横山ノックさんと並んで」。横山さんは在職中に強制わいせつ罪で起訴され、辞任後に有罪が確定している。
 地元・千葉県の元我孫子市長で中央学院大の福嶋浩彦教授(地方自治)も、有馬さんと同じ30点を付ける。「首長を目指す人は2つに類型化できる。一つは『自分の考えや理念を実現し、住民の暮らしをよくしたい』と願う人。もう一つは『知事や市長になりたい』ということに重きを置く人。後者の代表格が森田さんだったのではないか」と点数の理由を説明した。
 落語家の立川談四楼さんは「あの笑顔、元気さ」と、森田さんの良かった点を挙げる。だが、点数は「40点かなぁ」と辛口だ。政界に入る前にテレビの世界で活躍した知事の中では「仮想敵をつくってたたこうとする橋下さんよりは、いいかも」と感じている。
 とはいえ立川さんは、森田さんの後に続いて芸能界から政治を志す人たちには「若いころに苦労して、庶民の気持ちや人情をよく分かってる人もいる。選挙に出る人がいたら人気にあぐらをかかず、地道に活動する覚悟を持ってほしいね」と期待する。

関連キーワード

PR情報

主要ニュースの新着

記事一覧