新型コロナワクチンの副反応「異常あればすぐ動く」 厚労省専門部会・森尾部会長

2021年4月9日 06時00分

「異常があればすぐに動く」と話す新型コロナワクチンの副反応を検討する専門部会長の森尾友宏・東京医科歯科大副学長(同大提供)

 新型コロナウイルスワクチンの一般接種が12日から始まる。100万人以上の医療従事者らが接種を済ませ、副反応に関するデータは少しずつ蓄積されている。接種に向けての心構えや重いアレルギー反応「アナフィラキシー」について、厚生労働省で新型コロナワクチンの副反応を検証する専門部会の部会長、森尾友宏・東京医科歯科大副学長に話を聞いた。(沢田千秋)

◆「2回目接種の約2割が38度以上の発熱」

 「今回のワクチンは予想以上に効果が高い。海外では感染者数も減っている。重症化を防げれば自分を守り、医療体制も守れる。もし感染予防効果もあったら、集団免疫で社会も守れるかもしれない」
 2回目のワクチン接種をした約4000人のうち、約2割が38度以上の発熱、7割近くが全身倦怠けんたい感を訴えた。森尾氏は「接種翌日は体調不良があれば、無理に勤務しない方がいい」と呼び掛ける。
 国際基準でアナフィラキシーと判断されたのは、2月17日~3月21日に接種した約58万人のうち47人。100万人に換算すると81人となり、米疾病対策センター(CDC)が報告した5人を大きく上回る。また、女性が多い傾向がある。
 「たとえばB型肝炎ワクチンは、免疫関連の分子の遺伝の影響で、一部の日本人は反応が悪い。副反応の人種差をみるにはさらなるデータが必要だ」と言う。 女性の副反応が多い理由として、化粧品などに使用されるポリエチレングリコールがファイザー製ワクチンに含まれることを挙げる専門家がいることには、森尾氏は「重要な課題。個人的には研究、解析が必要と思う」と話した。

◆「高齢者より若者の方が強く出る」

 高齢者向け一般接種が始まれば、接種部位の腫れや発熱、倦怠感などの副反応の割合は、先行接種より下がる可能性はあるという。「副反応はワクチンに反応する免疫応答で、高齢者より若者の方が強く出る」ためだ。
 接種の際は「食物や薬のアレルギー経験がある人やぜんそくの人などは予診票に書き、接種後、30分間待機を」とアドバイス。個別、集団接種いずれでも「アナフィラキシーへの診断、判断、治療の対応はできている。これまでも(アナフィラキシーが起きた)全員の症状が改善した。救急搬送体制の整備も進んでいる」と強調する。
 高齢者の接種が始まって死亡や発病事例が報告されれば「一般的に高齢者が日々起こす疾患の頻度とワクチンとの関連を冷静に比較、検討する」と言う。「リスクがゼロのワクチンはない。副反応の情報を透明性高く、正確、迅速に開示するよう努める。異常なシグナルがあれば、部会はすぐに動く」と森尾氏は明言した。

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